張義明 陶展 ～ 天空 ～

Yih-Ming Chang Ceramic Exhibition -Heavens-

［ことしるべ］では、創工会展でもおなじみの、台北出身の張義明（ツァン・イーミン）氏の陶展に訪問し、作品のテーマや魅力についてお聞きしました。
同会場では昨年「京展 小さな宇宙」を開催、京都での個展は2018年の京都陶磁器会館での開催以来2年ぶりになります。

会場に入って目に飛び込んできたのは、色鮮やかな数々の陶作品。
近年のテーマ「天空」は、自然や宇宙、四季のあふれる色彩のイメージを表現しています。

早速写真を撮影させてもらっていると、初対面の私にも、「どうぞどんどん触ってください」と言っていただきました。
恐る恐る手に取って拝見していると・・・。

陶器は実際に触らないと、その質感や角度によって変わる色彩がわかりません。
展覧会では作品は触らないで、というものが多いです。
ですが、陶器は使うものというより生活に溶け込むもの、生活を豊かにするものと考えているので、作品はお子さんにも触ってもらうようにしています。
丁寧に扱ってね、と伝えるときちんと手に取ってくれるので、そのことでトラブルになったことはありません。
陶器に触るという経験は教育にもつながるのです。

なるほど…目で見るだけではなく手で触ることで得る作品に対する考え方に感銘を受けました。
会場には陶器にたくさんの花が活けられていました。

自宅の庭の種々の花をギャラリーの方に活けていただきました。
通路から見える縦長の大きな白い花器の満開の桜を見て、通りががりで入ってこられた方から「とてもきれい。こんな時期なので元気がもらえます」と言ってもらいました。
お花見もできないので、楽しんでもらいたい、少しでも笑顔になってもらいたいとの思いから展覧会を開催しています。

私の作る花器は華道をやっていない初心者の方でも簡単に活けられるものにしようと心がけています。
この一輪挿しは剣山がなくてもそっと花を挿すだけで使えます。
丸や波打ったポップな形状は、活けても活けなくても楽しんでもらえる作品にしたいという考えを表現しています。

きれいな花々と鮮やかな作品に心癒されました。
今回の見どころは・・・？

新しい表現をした作品は陶板です。
料理にも使えるという発想を得て、お茶やお菓子を並べて銘々皿にも使えるし、写真立てのように飾り皿にもできる作品にしました。
作品は自己満足ではなく日常生活にうるおいをプラスするものと思っているので、私以上にお客さんに考えて使ってもらえると嬉しいです。
お客さんに使い方を考えてもらって作品が活きると思っています。

作品は作者がつくって終わりではなく、使い手が使い方を自由に楽しむことで新しい作品が生まれるのですね。
最後に今後の展覧会のご予定をお聞きしました。

7月22日（水）から金沢21世紀美術館で個展を開催します。
お楽しみに！

初対面の私にも楽しくお話いただき、そのお人柄が作品に表れているようでした。
 

過去の創工会展紹介ページはコチラ

★過去の創工会展紹介ページ

第28回展（2016年）

第29回展（2017年）

第30回記念展（2018年）

第31回展（2019年）

★創工会会員の方の過去の記事もこちらから読めます。
・伯耆正一氏（2018年6月1日　京都陶磁器会館）　
　・安東智香氏（2018年7月24日　ギャラリー恵風）
　　・張　義明氏（2018年10月19日　京都陶磁器会館）
　　・德力竜生氏（2018年10月31日　京都万華鏡ミュージアム）　
・伊砂 正幸 氏　市川 博一 氏　藤井 收 氏　上田 順康 氏（2018年11月6日　生活あーと空間 ぱるあーと）
・今井裕之氏（2018年11月22日　ギャルリー石塀小路 和田）
　・武田直之氏（2018年11月30日　京都陶磁器会館）　
・中村譲司氏（2018年12月14日　京都陶磁器会館）
・張義明氏、宮木康氏（2019年２月19日　ポルタギャラリー華）
・金井大輔氏、井上絵美子氏（2019年3月14日　ギャルリー石塀小路 和田）
・井上路久氏（2019年3月26日 生活あーと空間 ぱるあーと）
・今井政之氏ほか（2019年4月10日 生活あーと空間 ぱるあーと）
・井上路久氏（2019年6月21日　京都陶磁器会館）
・武田直之氏（2019年9月3日　ポルタギャラリー華）
・市川博一氏（2019年9月10日　ギャラリーなかむら）
・金井大輔氏、宮木康氏（2019年10月15日　ポルタギャラリー華）
・加藤丈尋氏、服部一齋氏・慶野ことり氏（2019年11月12日 生活あーと空間 ぱるあーと）
・「吉祥創工会髙島屋展」（2019年12月4日　髙島屋京都店6階美術画廊）
・井上絵美子氏ほか（2020年1月22日　髙島屋京都店6階美術画廊）
・村田好謙氏（2020年2月13日　大雅堂）
・張義明氏（2020年3月31日　ポルタギャラリー華）