武田直之 陶展
永 久 に 咲 く 色
主に手捻りで成形されたフォルムに複数の色化粧を重ねることにより、豊かな色調の作品を作られる、武田直之氏にお話をお聞きしました。
武田 直之 氏
ことしるべ : 先日終了した「第30回 工芸美術創工会展」や「第3回 日本陶磁協会奨励賞 関西展」、そして今回のこちらの個展会場でも独特の色合いの作品が印象的ですね。
武田直之 : 黒土をひも造りによる手捻りで成形し、化粧泥の上に様々な顔料を重ね、乾かしてはまた色を重ね、という工程を繰り返してできた作品です。
私は大阪南部の田舎で山や川、花がたくさんある所で育ちました。母も花が好きで、食卓やトイレなど、家の中にも花を欠かさない人でした。
私自身もずっと草花がとても好きで、それを作品に活かしたいと思っています。花々のイメージと自分の感性と融合させた表現をしたいですね。
それは「具象」ではなく、日々移り変わる自然の風景から、今感じる自分の中のフィルターを通過した「心象風景」で、その世界を鑑賞者の方と共有できれば幸いです。
会場風景。大型作品だけではなく額装作品にも注目です。
ことしるべ : 表面の繊維のような質感も面白いですね
武田直之 : 和紙の雲竜紙や、左官屋さんが作業していた漆喰の壁を見て、インスピレーションを受けました。
「これを陶器でできないかな?やっている人いないのでは?」と思い、独自の技法でこのような感じの作品にしました。
作品作りにおいては、自分の表現したいものを、自由に独自な方法で表現したいと考えていて、「伝統工芸」ではなく「アート」を作っている、という思いでいます。
会場の階段にある作品もお見逃しなく!また、小さめの花器や普段使いできるお皿なども展示されています。
ことしるべ : 普段は大阪での活動が多いのでしょうか?
武田直之 : 京阪神が主ですが、作品が発表できる場があればどこでも行きますよ。
ただ今回、ここ京都で個展が開催できるのはとても嬉しいことです。陶芸のレベルも高く、多くの方に見てもらえるチャンスで、自分にとってプラスになることが多いと考えています。
会場では、大型作品のほかにも、写真にあるような額装作品や普段使いのできるお皿・お茶碗も展示されています。
武田氏の、まさに「永久に咲く色」の世界をぜひお楽しみください!
●武田直之 陶展 ー永久に咲く色
◆会 期 2018年11月30日(金)~12月12日(水)※木曜休館
◆時 間 午前10時~午後6時
◆会 場 京都陶磁器会館 2Fギャラリー
(京都市東山区東大路五条上る遊行前町583-1 市バス「五条坂」下車すぐ)
◆料 金 無料
◆主 催 一般財団法人 京都陶磁器協会
●京都陶磁器会館
写真=畠山崇
京都で活躍する作家・窯元の作品のみを厳選し、常設で現代の最新の京焼を展示・販売しています。
会館案内やイベント情報など、こちらのホームページからチェックしてください!→http://kyototoujikikaikan.or.jp/
武田直之氏も会員の工芸美術創工会展、会員の方の取材ページは以下からお読みいただけます。
★過去の創工会展紹介ページ