金井大輔 -染- 井上絵美子 -漆-
二 人 展
創工会展でもおなじみの金井大輔氏(染)と井上絵美子氏(漆)による二人展が、ギャルリー石塀小路 和田で開催中です。
以前、同じく創工会の村田好謙氏の個展が同会場で開催された際に、偶然同じタイミングで観に来られた二人に、「いっしょに展覧会されてはどうですか?」とギャラリーの方が声をかけられたことから実現した本展。初日の会場を訪ね、お二人にそれぞれお話をうかがいました。
金井 大輔 氏
ー 作品の中で飛行機や楽器が描かれることが多いですよね?
ー 子供のころに住んでいたところでは、窓の外の風景に常に飛行機の姿があり、音もよく聞こえてきました。それと、近所にあった音楽教室から聞こえてくるメロディが私の記憶の原点になっていて、作品作りに現れています。私自身、実は楽器は全然できないので、あこがれの対象でもあります。普段の生活でそのような自身の記憶と、今見えている風景や気持ちとがピタッと重なり、時が止まったように思える一瞬があります。そういう時にいい作品になります。なかなかそんな一瞬が来ないのですが(笑)。
ー 今まで拝見した作品は、グレー基調のものが多かったように思いますが。
ー はい。白から黒の色層の中で自分の世界を表現し、奥行きを出すことを重視してきました。今回、DMハガキの作品のように、初めてオレンジ色を使ってみました。グレーを重ねて表現してきた色層と奥行きの世界の幅を広げてみようと思いました。これからもっと外に出て、いろんなモノや表現を吸収していきたいと考えています。
会場に展示されている金井大輔氏の作品(一部)
井上 絵美子 氏
ー 具象、抽象、両方の作品が展示されていますね。
ー 私の場合、大きなものは抽象的な作品になることが多いですね。「何を作ろう」と考えてではなく、頭の中にあるイメージをだんだん形にしていく作業になります。何かハッキリとした対象物に向き合ってではなく、小さなころの記憶の中にある木の実や飼っていた金魚の好きな部分が形になって現れています。そんな雰囲気を見てくださった方に共有してもらえたら嬉しいですね。
逆に小さめの作品については、「コレを作ろう」と思ってやっています。自分がその対象のどこを見ているのかを強調するような作品になっていて、それが結局は大作にもつながっていきます。
ー スプーンなどの普段使いできる作品も見ていて楽しいです。
ー 漆を生活の中で身近に感じてほしい、と思って作っている作品です。貝の裏に漆を塗った小皿もありますよ。
会場に展示されている井上絵美子氏の作品(一部)
◆金井大輔 -染- 井上絵美子 -漆- 二人展
◆会 期 2019年3月14日(木)~3月24日(日)※3月20日(水)は休廊
◆時 間 午後12時~午後6時(最終日午後5時まで
◆会 場 ギャルリー石塀小路 和田(京都市東山区八坂鳥居前下ル河原町463)
HP=https://www.ishibekojiwada.jp/
◆料 金 無料
ギャルリー石塀小路 和田(外観)
☆井上絵美子氏の作品は、3月17日(日)まで開催中の「第三十九回 京都工芸美術作家協会展」でもご覧いただけます。
☆金井大輔氏、井上絵美子氏が昨年の創工会展の関連イベントで担当されたワークショップの様子はコチラからご覧いただけます。
・金井大輔氏 「第30回記念 工芸美術創工会」ワークショップレポート 金銀色の鮮やかな模様のトートバックを作ろう!
・井上絵美子氏 「第30回記念 工芸美術創工会」ワークショップレポート マイ漆皿を作ろう!
金井大輔氏、井上絵美子氏も会員の工芸美術創工会展、会員の方の取材ページは以下からお読みいただけます。
★過去の創工会展紹介ページ
★創工会会員の方の過去の記事もこちらから読めます。
・伯耆正一氏(2018年6月1日 京都陶磁器会館)
・安東智香氏(2018年7月24日 ギャラリー恵風)
・張 義明氏(2018年10月19日 京都陶磁器会館)
・德力竜生氏(2018年10月31日 京都万華鏡ミュージアム)
・伊砂 正幸 氏 市川 博一 氏 藤井 收 氏 上田 順康 氏(2018年11月6日 生活あーと空間 ぱるあーと)
・今井裕之氏(2018年11月22日 ギャルリー石塀小路 和田)
・武田直之氏(2018年11月30日 京都陶磁器会館)
・中村譲司氏(2018年12月14日 京都陶磁器会館)
・張義明氏、宮木康氏(2019年2月19日 ポルタギャラリー華)
・金井大輔氏、井上絵美子氏(2019年3月14日 ギャルリー石塀小路 和田)