,8世紀初頭に中国より伝来したとされる団扇(うちわ)は、涼をとるほか虫や邪気を払う道具として使われました。一方、平安時代に団扇を改良してつくられた扇子(せんす)は後に神事の道具や貴族の装身具となり、茶道や舞に用いる小道具としても重宝され、美しい絵柄が描かれてきました。また、高貴な身分の者が備えた品格や女性らしさなどを表現するモチーフとして、しばしば絵画の中にも登場します。今でも扇は身近なアートであり、時に広告メディアやサイン色紙としての役割を果たすこともあります。
本展覧会では、京扇子の老舗「白竹堂」ご協力のもと、団扇や扇子が描かれた日本画作品とともに、主に江戸時代から現代にかけてつくられた様々な扇を展示いたします。
日本の伝統工芸である「蒔絵」。17 世紀の後期、それまで一般には名を知られない存在であった蒔絵師たちは、京都の観光案内書『京羽二重』など出版物に住所と共に紹介され、やがて自らの名を作品に記し始めました。それまで、名を残さない工人であった蒔絵師たちが歴史の表舞台に登場したのです。町衆が台頭する 18 世紀以降、蒔絵を受容する層が増し、それに比例して蒔絵師の数も増えてゆきます。そして流行は競争を生み、技術面でも大きく底上げされ、多くの蒔絵師が名を上げる百花繚乱の時代を迎えました。
本展はこうした蒔絵師たちの作品を、のちに各地の伝統へと繋がる彼らの系譜とともに紹介することで、伝統のバックボーンや美しい蒔絵を求めた当時の日本人の心を、展示作品の中に感じていただくことができます。
読み書きや自分の考えを整理して表現する力を養うことを目的に2007年から開催している「京都新聞小・中学生新聞コンクール」を今年も開催します。テーマを決めて、自分だけの新聞を作ってみましょう。みなさまの力作をお待ちしています!!!
江戸時代に確立された浮世絵木版画(錦絵)は、明治以降の西洋の写真や印刷技術導入の影響で、衰退の一途をたどっていました。その中で、あえて伝統的な絵師、彫師、摺師による分業体制の浮世絵木版画技術を使い、高い芸術性を意識した同時代の画家による取り組みが、「新版画」の始まりとされています。これを牽引したのが渡邊版画店(現在の渡邊木版美術画舖)・渡邊庄三郎(1885-1962)でした。
本展は2024年に生誕140年、没後90年を迎える画家、竹久夢二の回顧展です。「夢二式美人」と呼ばれ、一世を風靡した美人画の数々に加え、小説の挿絵、楽譜の表紙デザイン、本の装丁や俳句・作詞にいたるまで、多彩な才能を発揮したクリエーターとしての夢二の魅力が詰まった作品の数々をご覧いただきます。関西では、コレクションがまとまって公開されるのは約30年ぶり。夢二ファンはもちろん、老若男女を問わずお楽しみいただける展覧会です。
『第41回京都新聞チャリティー美術作品展』を、京都髙島屋7階グランドホールで開催します。
陶芸、工芸、彫刻、洋画、版画、日本画、書、イラスト、漫画、写真など、全国の著名な美術家・宗教家・文化人らからご寄贈いただいた約1,100点を超える心のこもった作品を一堂に展示いたします。
ぜひともご鑑賞いただき、作品を寄贈してくださった作家の皆さまのまごころのこもった作品をお楽しみください。
友人、夫婦、親子など、ペアによる囲碁の新しい楽しみを発見できる「第28回京滋ペア碁まつり」を8月27日(日)に開催します。前回から創設された性別を問わない【オープンペア碁】の参加も募集しています!
皆さま、お気軽に!ご参加お待ちしております!!
お釈迦さん(釈尊)は悟りを開きブッダとなる以前、輪廻転生を繰り返し、さまざまな前世をおくりました。例えば、日本では「月の兎」として今昔物語でも言及されるササジャータカ、鷹に追われる小鳥を助けるために自分の腿の肉を削いだシビ王の物語、請われるがまま国の大切な白象や自分の妃、子どもらまで布施してしまうヴィシュヴァンタラ王子の物語など、仏教経典に伝えられる釈尊の前世の物語はガンダーラ地域を中心に、彫刻や絵画作品としても表されてきました。こうした釈尊の前世の物語は「ジャータカ」や「本生話」と呼ばれ、現代にも伝えられています。今回のシリーズ展の特集展示では、初公開作品も加え、仏教の開祖であるお釈迦さんの前世の物語をひも解きます。
古来、語り読み継がれてきた物語は、古くから絵巻物など絵画と深い関係にありました。和歌もまた、三十一文字の世界が絵画化されたり、絵から受けた感興から歌が詠まれたりと、絵画との相互の刺激から表現が高められてきました。
物語絵や歌絵の特徴のひとつは、繊細な描写と典雅な色彩。宮廷や社寺の一級の絵師が貴人の美意識に寄り添い追求した「やまと絵」の様式を継承することでしょう。そしてストーリーに流れる時間を表すかのような巻物、特別な場面を抽出してドラマティックに描き出す屏風など、長大な画面にさまざまな表現が生まれました。
古典文学は、後世の人々が自身に引き寄せて味わうことで、読み継がれ輝き続けてきました。それに基づく絵画もまた同様です。本展では、近世の人々の気分を映し出す物語絵と歌絵を、館蔵の住友コレクションから選りすぐってご紹介します。雅やかで華麗、時にちょっとユーモラスな世界をお楽しみ下さい。
子どもたちの自由な発想と柔軟な感性で、本を読んで得た感想を絵で表現するコンクールです。
今年で53回目を迎えます。ここにご紹介する選定図書は、子どもたちに読ませたい一冊としてもおすすめです。
たくさんのご応募をお待ちしております。
日用品をナフタリンでかたどったオブジェや、塩や葉脈、陶器の貫入音を使ったインスタレーションなど、「変わりながらも存在し続ける世界」を表現するアーティスト、宮永愛子。初代宮永東山の曾孫でもある宮永は、生まれ育った京都に活動拠点を戻し、陶房に今も残る古い型にガラスを流し込み、過去と現在を結ぶ作品を制作しています。
本展では、新作《くぼみに眠る海 —猫—》をはじめとし、鍵善良房にちなんだ「鍵」をモチーフにした作品や、鍵善所蔵の木型から発想を得たガラスの作品を中心に紹介します。
利休の創意のもと、『侘び茶』に叶う新たな茶碗を生み出した樂家初代・長次郎。当時は唐物、高麗の茶碗が名品とされていた中、和物茶碗としても新たなる挑戦でした。
『侘び茶』の思考を軸とし、茶の為に生み出された樂茶碗。生まれたばかりの茶碗は、まだ樂茶碗という名もなく、『今焼茶碗』や『聚樂焼茶碗』などと呼ばれていました。轆轤(ろくろ)が主流の時代の中、あえて手とヘラのみで成形する『手捏ね』という手法で造られ、燃え盛る炎の中から熱いまま一碗のみ窯から引き出される特殊な焼き方で茶碗が誕生していきます。
長次郎から始まった『樂焼』は、樂歴代へと繋がり、当代それぞれが長次郎茶碗を精神的な軸とし、各々の新たな茶碗が生み出されてきました。
そして始まりから約450年、“ちゃわんやのともし火”は、令和の時代へと受け継がれます。
この度の展観では、長次郎から脈々と紡がれる樂歴代の茶碗や実際の窯の炎の映像などから樂焼がもつ精神性を探っていただければ幸いです。
「現代美術の動向」展*は、京都国立近代美術館が開館した1963 年から 1970 年まで毎年開催された、定点観測的なグループ展シリーズです。国公立の美術館がまだ少なかった1960年代当時、日本の現代美術の中堅・若手作家を紹介する展覧会として大きな注目を集めました。
和田誠(1936-2019)は多摩美術大学卒業後、ライトバプリシティを経て、イラストレーター、グラフィックデザイナーとして広く活躍しました。そのほかにも装丁家や映画監督、エッセイスト、作曲家、アニメーション作家、アートディレクターなどさまざまな顔を持ち、その創作の広がりはとどまるところを知りません。本展は、和田誠の膨大で多岐にわたる仕事の全貌に迫る初めての展覧会です。代表的な仕事を中心としたビジュアル年表や、和田誠を知るうえで欠かせない30のトピックを軸に、83年の生涯で制作した多彩な作品や資料を紹介します。これまで知らなかった和田誠の新たな一面に出会える展覧会です。
京都の学童野球の頂点を争う中信杯「全京都学童軟式野球選手権大会」が7月1日から開幕します。総勢167チームが見せる熱いプレーにぜひ球場でご声援ください!
第109回「光風会展」京都展を開催します。
「光風会」は明治45年、中澤弘光・三宅克己・杉浦非水・山本森之助・小林鐘吉・岡野栄・跡見泰の若い画家たち7人により白馬会解散の翌年に設立されました。「特別の主張とか抱負と云う看板はありません。春が来て無意識に咲いた野の草花の様なもの・・・・・隠れた無名の花を自由に紹介する広い花園を開拓した・・・・・」と設立趣意書にあります。後進を育成する思い、和を尊ぶ精神、謙虚に作品に向き合う姿勢が志となり伝統になりました。
本展は、京滋をはじめ近畿一帯を中心に、会員・会友と一般公募での入選作品、絵画99点と工芸26点の合計125点を展覧します。
染織工芸技術の保護・育成と創意ある展開をもとめ「第57回日本伝統工芸染織展」を大丸ミュージアム京都にて開催します。
江戸前期に活躍した琳派の創始者、俵屋宗達は扇絵などを制作する「絵屋」を営んでいました。「扇絵」はいわば宗達工房の主力商品であり、その独創的な意匠は後に屛風などの大画面に明快な画風を展開する原点ともなりました。「扇絵」や「団扇絵」といった小画面の調度は、尾形光琳、中村芳中、酒井抱一、鈴木其一、神坂雪佳ら宗達以降の絵師たちも積極的に手掛け、デザイン性の高い身近な調度として親しまれました。一方、琳派では朝顔など夏秋の草花図も多く描かれ、爽やかな画面は凌ぎ難い夏の暮らしに一風の涼味をもたらしました。
琳派展の第23弾となる本展では、細見コレクションを中心に「扇絵」「団扇絵」や、夏の草花図や秋草図を選び、琳派による涼の美をご紹介します。
★下方に『お買上げレシートで特別ご優待キャンペーン』のご案内があります。
橋本関雪(1883-1945)は、近世の伝統を受け継ぎながら、近代性を取り入れて独自の文雅で壮大な芸術世界を完成させた巨匠です。大正・昭和期の京都画壇で活躍した関雪は、神戸に生まれ、儒者の父・海関の薫陶を受けて漢籍詩文を学び、同時に画筆にも親しみました。
四条派の画法を修めた闊達な筆さばきと中国古典への深い理解と愛着を持つ彼は、早熟な才能を示し、若くして画名を知られます。
本展は関雪の生誕140年を記念し、彼が生涯で最も長い時間を過ごした京都で、その歩みを、到達点を数々の名画で追いながら紹介します。
白沙村荘 橋本関雪記念館・福田美術館・嵯峨嵐山文華館の3館で同時に開催となります。
滋賀県立安土城考古博物館で春季特別展「信長と家康ー裏切る者・裏切らざる者ー」を開催します。
信長ほど、家臣や戦国大名などから裏切りを受けた武将はいないのではないでしょうか。弟信勝を擁した宿老たちの謀反から始まり、妹婿の浅井長政の離反、重用した松永久秀や荒木村重の裏切り、最後は明智光秀に討たれてその生涯を閉じることになります。そんな中、どんな時も同盟者として味方であり続けたのが家康でした。天下静謐のため、京都の安寧に腐心する信長にとって、東国への防壁となった家康の存在は、頼もしかったことでしょう。人々は、なぜ信長を裏切るのでしょう?家康との関係は、ほんとうに変わらなかったのでしょうか?「裏切り」をキーワードに、信長と家康をめぐる人間模様を考えます。