日本全国では、毎年約8000件もの埋蔵文化財発掘調査が実施されています。本展は、近年、特に注目された遺跡や、発掘調査及び整理作業の成果を広く公開するために、文化庁主催のもとで毎年開催されている全国巡回展です。(大津会場での展覧会は終了しました)
今年の「発掘された日本列島」は、新発見速報展の他、東日本大震災の復興事業の一環として行われている岩手・宮城・福島の三県の調査成果を紹介する特集1、発掘調査によって明らかになった過去の災害痕跡と、そこからの復興の歴史にも焦点をあてた特集2による構成となり、全36遺跡を紹介します。
関西地区唯一の開催となる大津市歴史博物館会場では、この全国巡回展とともに、大津市内の遺跡から多数確認される渡来文化を示す出土品に焦点をあてた地域展示を開催します。大津市内の発掘調査成果を中心に、大和(奈良)や河内(大阪)の古墳群の出土資料とも比較しながら紹介します。
豊臣秀吉が天下統一を果たした頃、美濃国(現在の岐阜県)で新たな焼き物が生まれました。釉薬によって、黄色や黒、緑、青、白といったさまざま色彩を表現することに成功したこの器は、茶の湯の浸透とともに文化人の間に広がり……
恐ろしい形相で睨みをきかせるこの瓦は、奈良県奈良市にある中山瓦窯跡(かわらがまあと)から出土した鬼瓦です。中山瓦窯跡は、奈良県と京都府の境に広がる平城山(ならやま)丘陵に築かれた瓦窯群……
前方後円墳の墳頂部(ふんちょうぶ)に立て並べられた5基の家形埴輪のひとつ。高さは68.3センチで、高床式の建物を表します。注目すべき点は、これらの家形埴輪は墳頂部に石を敷いて作った区画に整然と並んでいたことで……
鉄器は弥生時代に使用が始まりました。鉄は「くろがね」と呼ばれるように漆黒色で、その輝きは石にはない異質のものとして人々の目に映ったことでしょう。弥生時代に鉄を生産する技術はありませんでした……
日本を代表する縄文土器といえば火焔(かえん)型土器です。不安定に見えるほど上半分が大きな器形と、火が燃えあがるような口縁部。火焔型土器は縄文時代中期、新潟県の信濃川上・中流域を中心に分布し……