茶道織部流の祖、天下の茶人「古田織部」が慶長8年(1603)に創建したことから織部寺として親しまれる興聖寺。庭園を優美に彩る紅葉と共に、通常非公開の本堂や方丈、お茶室などを特別公開します。
方丈内では開かれた禅寺を目指す望月宏済住職が「究極の坐禅」を求め、日本最西端の沖縄県与那国島へ赴き、修行した様子を紹介する写真展「旅坐禅の世界—西の果て与那国島へ」を同時開催。写真家・堀出恒夫が撮影した初公開作品8点をご覧いただけます。また、会期中には与那国黒糖を味わいながら、住職による与那国でのお話を楽しめる法話会も実施します。
2024年に生誕120年、没後50年となるのを記念して、風景表現を一貫して追求した日本画家・奥村厚一(おくむら・こういち/1904-1974)展を開催します。1976(昭和51)年、京都市美術館では奥村厚一の遺作展を開催し、本展は京都市京セラ美術館ではそれ以来の大規模な回顧展となります。
1904(明治37)年、京都市に生まれた奥村厚一は、京都市立絵画専門学校研究科へ進学すると同時に、西村五雲に師事しました。1929(昭和4)年に第10回帝展に《山村》が初入選して以来、官展を中心に京都や信州などの土地を題材に、精緻な筆致に鋭く季節を捉えた風景表現を発表し、1946(昭和21)年、雪に覆われ立ち並ぶ木々を清澄な空気の下に描いた《浄晨》で特選を受賞しました。しかしその2年後、1948(昭和23)年には山本丘人、上村松篁、秋野不矩らとともに創造美術を結成して官展を離れ、新しい日本画を創造する活動に身を投じます。それまでの日本画表現に疑義を呈し、自らの制作を厳しく問い直す中で、それまでの繊細な描線から、太い輪郭線や、面として大きく対象を捉えた風景表現を追求していきます。さらに描く対象を大写しにして、大胆に抽象化し、激しい波や雲などの自然現象や木々の生命感を強調する作風も生まれました。本展では、奥村厚一の初期から晩年の制作を各時期の代表作で振り返ると共に、京都市美術館などが所蔵するスケッチもあわせて展示します。このスケッチは、日本各地を旅し、厳しい自然や風景と直接向き合い、卓抜な構図と堅実な写生でその姿を克明に捉えた奥村の制作の原点を示すともいえる作品群となります。
『みうらじゅんFES』とは、何であるか?
しかも、このフェスはツアー。
ロックバンドの体で各地を回っているのは、僕がこれまでに集めてきた品と、創作物。
数えたこともないし、数える気もないが、膨大な数のメンバー(もちろんツアー中にその数は増え続けている)が、“キープオン・ロケンロール!”または、“ループオン!”
みなさまに「ようこんだけ集めたはるわ」とか「ようこんだけ描かはったなァー」と、呆れて貰うためのツアーである。
当然、それらは世の価値観では計り知れない無駄な熱量と物量。
ただ呆れただけでは帰しませんよ。
“人の一生って何なんだろう?”そんな深いことをお考えになっても構いませんよ。
百聞は一見にしかり!この機会に是非、『みうらじゅんFES in 京都』に参加して下さいね。
みうらじゅん
画家・絵本作家の町田尚子は、絵本の物語を繊細なタッチと大胆な構図で描くことで、その文章が生きる空間を表現し、高い評価を受けています。そうした町田の絵本には、所々に猫の姿が描かれています。
町田尚子の座右の銘は、「隙あらば猫」。童話や遠野物語、怪談絵本など、様々な物語の中で猫を主人公として、時に脇役として登場させています。描かれた猫たちは、毛並みから仕草まで緻密に表現され、猫と共に暮らす町田の観察眼の鋭さ、そして猫を慈しむ眼差しが感じられます。
本展覧会では、デビュー作から『ネコヅメのよる』『なまえのないねこ』『ねこはるすばん』などの代表作、そして最新作まで17冊の絵本原画や絵画、ラフスケッチなどの貴重な制作資料他、本展のために新たに制作された作品を含む約270点を紹介します。絵本原画そのものが持つ繊細な筆致や迫力のある描写をお楽しみいただけます。
MIHO MUSEUMでは、2024年3月3日(日)~ 6月9日(日)までの期間、春季特別展「古代ガラス―輝く意匠と技法」を開催いたします。
古代、ガラスは宝石のように尊ばれていました。MIHO MUSEUMが数多く所蔵する古代ガラス作品を各文明ごとに展示します。ビーズやコアガラス、モザイクガラス、カットガラスなど色も輝きも様々な古代ガラスをお楽しみください。
同一職域あるいは団体でチームを組んでの対抗戦です。今年も3人1組で行います。京滋以外の方も申し込みが出来る「一般団体の部」もあります。多数のご参加をお待ちしております。
「石が土となり、また土は石となる」のは地質学的時間、つまり循環する宇宙時間のなかで起きている。この石と土との間で、人類はやくという行為によって器を制作してきた。すなわち「やきもの」である。京都の地において、初代長次郎(1589年没)を祖とする樂家に、茶碗という究極の造形の存在に対して、石から、土からそれぞれのアプローチを行っている 2 人の芸術家がいる。
樂雅臣と樂直入の展示をこの機会にぜひご観覧ください。
桃山時代、千利休に重用され樂焼を創設した樂家初代長次郎から450年。
その長い歴史を紡いできた樂家15代吉左衞門の次男として生まれた樂雅臣は「石の中に表現を、表現と共に自然を」を信念とし、石を主材とする彫刻家です。
自然を支配することなく、石の造形を生かした作品づくりをしています。
樂雅臣の作品が美術館の空間に溶け込む姿を、ぜひご高覧ください。
文化庁・京都新聞では、アートを通して、多様性や共生社会のありかたについて、障害のある方もない方も共に考え、語り合い、実践するプロジェクト「CONNECT⇄_(コネクト) ~アートでうずうず つながる世界~」を、2023年12月1日(金)から17日(日)までの期間に開催します。
4回目となる2023年度のテーマは「アートでうずうず つながる世界」。障害者週間(12月3日~9日)を含む17日間、展示やワークショップ、トークなど、参加施設がさまざまなプログラムを用意してお待ちしています。さらに、京都国立近代美術館や京都市京セラ美術館には、交流・くつろぎ・体験のスペース「うずうず広場」が登場。さまざまな表現や人々に出会い、一緒にアートをつくったり楽しんだりすることで、心もからだも「うずうず」動き出したくなる、そんな体験をしてみませんか。
「院展」の名で親しまれている日本美術院は、1898(明治31)年、岡倉天心が橋本雅邦、横山大観、下村観山、菱田春草らと共に、東洋美術の正しい伝統を基礎として維持し、新時代の新美術を開発・樹立すべき事を指標として創設されました。
天心の没後、大正3年1914(大正3)年、横山大観らによって再興、以後一世紀以上に渡る歴史と伝統を誇ります。
京都における日本画の発展にも大きく寄与してきた本展は、今年再興第108回を迎えます。
京都デスティネーションキャンペーン 第58回「京の冬の旅」(※)のキャンペーンポスター出演者である樂雅臣氏は、京都の文化にゆかりの深い彫刻家です。
京都を来訪してくださる皆様へ、彫刻家・樂雅臣氏の魅力と京都の魅力を同時にお伝えするイベントです。
本年度は、2つの「特別プラン」をご用意して皆さまのご参加をお待ちしております。たくさんの方に、ご参加いただければ幸いです。
本展は、画家・現代美術家の井田幸昌にとって初となる国内美術館での個展です。一貫して「一期一会」を自身の創作テーマとし、二度と出会うことのない「今」を表現する井田の、過去最大規模の展覧会となります。故郷、鳥取県の米子市美術館からはじまり、画家を目指すきっかけを作った京都市京セラ美術館へと巡回します。
京都展ではジェローム・サンスをキュレーターに迎え、鳥取 (米子) 展とは構成や内容を一部変えて展示します。これまでの絵画作品、立体作品、絵日記のように日々を綴った “End of today”シリーズ、家族、友人、著名人をモチーフに描いた“Portrait”シリーズなどの代表作から最新の作品まで、約350点のラインナップで紹介します。
この時、この場所でしか出会えない井田の芸術世界をご堪能ください。
樂家歴代の全貌を紹介する『定本 樂歴代』(樂美術館監修)が新しく改訂版となりました。解説も襲名にともない、樂篤人から16代吉左衞門、15代直入が担当します。改訂を記念した本展では、長次郎から16代吉左衞門まで、また樂家と外戚になる本阿弥光悦、玉水焼初代一元を加え、それぞれの代表作となる名品を展観し、樂焼の歴史、作風の特色とその変遷を探ります。
日本の伝統工芸である「蒔絵」。17 世紀の後期、それまで一般には名を知られない存在であった蒔絵師たちは、京都の観光案内書『京羽二重』など出版物に住所と共に紹介され、やがて自らの名を作品に記し始めました。それまで、名を残さない工人であった蒔絵師たちが歴史の表舞台に登場したのです。町衆が台頭する 18 世紀以降、蒔絵を受容する層が増し、それに比例して蒔絵師の数も増えてゆきます。そして流行は競争を生み、技術面でも大きく底上げされ、多くの蒔絵師が名を上げる百花繚乱の時代を迎えました。
本展はこうした蒔絵師たちの作品を、のちに各地の伝統へと繋がる彼らの系譜とともに紹介することで、伝統のバックボーンや美しい蒔絵を求めた当時の日本人の心を、展示作品の中に感じていただくことができます。
橋本関雪(1883-1945)は、近世の伝統を受け継ぎながら、近代性を取り入れて独自の文雅で壮大な芸術世界を完成させた巨匠です。大正・昭和期の京都画壇で活躍した関雪は、神戸に生まれ、儒者の父・海関の薫陶を受けて漢籍詩文を学び、同時に画筆にも親しみました。
四条派の画法を修めた闊達な筆さばきと中国古典への深い理解と愛着を持つ彼は、早熟な才能を示し、若くして画名を知られます。
本展は関雪の生誕140年を記念し、彼が生涯で最も長い時間を過ごした京都で、その歩みを、到達点を数々の名画で追いながら紹介します。
白沙村荘 橋本関雪記念館・福田美術館・嵯峨嵐山文華館の3館で同時に開催となります。
住友コレクションの一角を占める近代洋画は、住友吉左衞門友純(春翠)が明治30年(1897)の欧米視察中のパリで印象派の画家モネの油彩画2点を入手した事に始まります。その一方で、同時代のジャン=ポール・ローランスなどフランス・アカデミーの古典派絵画も収集しました。19世紀末のフランス絵画は、印象派の台頭とともに古典的写実派が次第に衰退していく様相を示すことになりますが、春翠が収集した洋画コレクションには同時代の印象派と古典派の作品がともに揃って収集されているところに特徴があります。また、明治維新以降の日本において、住友洋画コレクションは他に先駆けた最初の本格的な洋画コレクションでもありました。本展は、光を追い求めた印象派と陰影表現による実在感を追究した古典派を「光陰」と捉え、この「光陰」二つの流れから滋養を受けて展開した近代洋画の数々を紹介するものです。
志野流は、室町時代に香道の基礎を作り、流儀としての香の作法、精神を現代に至るまで五百年にわたり途切れることなく継承してきました。日本文化の結晶ともいうべき香道を、初代志野宗信から連綿と守り抜いてきた志野流五百年の道統を紹介します。
地球環境への意識の高まりやテクノロジーの進化など、人間社会のあり⽅が⼤きく変化する現代は、新たな視点が求められる時代だからこそ、人間こそがなしうることの重要性が改めて問い直されています。
本展では、企画・監修者にデザインを軸としてリサーチと思索を重ねてきた川上典李⼦⽒(武蔵野美術⼤学客員教授)を迎え、人間や地球の歴史を意識しながら、柔軟な発想でめざましい活動を展開する日本のアート、デザイン分野の気鋭の20作家(個人・チーム)を取り上げます。
1970年代、1980年代生まれを中心とした参加作家による新作や初公開作品を多数紹介する本展では、過去と未来、自然と人⼯、情報環境と実社会といったさまざまな関係性を軽やかにつないで再解釈する彼らの作品や活動から、世界が直⾯する激動の時代に求められる「創造へ向かう跳躍するエネルギー」が鮮やかに浮かび上がることでしょう。
鎌倉時代の歌人・藤原定家が編んだ秀歌撰である小倉百人一首は今なお多くの人々に親しまれています。
今回の企画展では、百人一首ゆかりの書や絵画をご覧いただくとともに、百人一首の歌人の中から在原業平に着目し、彼が主人公とされる『伊勢物語』の各段を彷彿とさせる名作をご紹介します。
展覧会を通じ、2つの古典文学作品により親しんでいただける内容となっています。
CONNECT⇄_(コネクト)は、多様性や共生社会のありかたについて、障害のある方もない方も共に考え、語り合い、実践するプロジェクトです。
3回目となる2022年度のテーマは「アートで こころを こねこねしよう」。
障害者週間(12月3日〜9日)を含む18日間、展示やワークショップ、連続トーク、上映会など、参加施設がさまざまなプログラムをご用意してお待ちしています。
さらに、京都国立近代美術館等には交流・くつろぎスペース「こねこねの中庭」が登場。さまざまな表現や文化、歴史に触れたり、五感を使ってアートを感じたり、いろんな人と共に過ごしたりして心と心を"こねこね"してみませんか。