「京都 日本画新展2023」
出品されている30名の作家を、順番にご紹介します。
松岡勇樹(まつおか・ゆうき)さん
1994年京都府亀岡市生まれ
京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻日本画修了
現在 京都芸術大学通信教育部書画コース非常勤講師
◉出品作品
「はじまりもおわりもない」
<本展出品作について作家より>
私にとって描くことは、自己が世界を獲得する行為です。
この3年間の出来事に私は生と死、はじまりとおわりを意識し始め、創作は100均の紙に小さな点を打つことからはじまりました。次第に点は塊を成し、まるで大気の流動や超新星爆発、花のような造形を獲得しながら膨張しはじめました。
そうして私は”私の絵”のはじまりと出逢うことができました。
――――――――――
松田朋子(まつだ・ともこ)さん
1989年兵庫県豊岡市生まれ
京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程修了
◉出品作品
「水茎の涙」
<本展出品作について作家より>
四季折々の自然の営みと人間の心模様が一体となった古典和歌の世界にあこがれ、自分なりの解釈を花卉草虫に託して描いています。
水茎は これをかぎりと かきつめて せきあへぬものは 涙なりけり
(『千載和歌集』より)
――――――――――
村田幸子(むらた・さちこ)さん
1981年奈良県天理市生まれ
奈良芸術短期大学専攻科日本画コース修了
奈良芸術短期大学研究科修了
現在 創画会会友
京都日本画家協会会員
◉出品作品
「時を攫う」
<本展出品作について作家より>
絵と向き合う時はいつも、心に在るしんとした情景を想います。それはとても淡いひかりなのですが、尊いのです。縦横無尽に伸びる根がそのひかりを渇望している手のように見えるのですが、その姿に自分を重ねてしまうのです。
――――――――――