第11回
祇 園 祭 展
今年も祭の時期にあわせて染・清流館で開催された「第11回 祇園祭展」。
作品出展および展覧会全体の監修もされた染色作家の内藤英治氏より本展について紹介いただきます。
京都の繊維・染織の中心に位置する染色専門の美術館、染・清流館(中京区室町通錦小路上ル)で、7月1日の吉符入りから始まる祇園祭の日程に合わせて開催してきた「祇園祭展」も今回で11回目を迎えました。
京都を中心に作品発表を続ける染織家が、毎回8~10名ずつ延べ80余名が参加して、京都を、日本を代表する祭「祇園祭」をテーマにした展覧会が続けてこられたこと自体が、祇園祭の華麗さと風流、懸想品の素晴らしさとその歴史的な重み、それに伴う行事等の時間的・空間的な営み、空気に、そして、それを支える町衆の心意気を、もの作りとしての各染織家の目を心を捉えたのではないでしょうか。
祇園祭を、それぞれが表現するには、あまりにも懐が深く、汲めども汲めどもその表現の幅は益々広がり、今日の80余名を以ってしても、その奥深さには届かないのではないかと思う反面、新たな視点や発見、接し方の妙が垣間見え、新たな楽しみ方も提示されたのではないかと思っています。
また、会を重ねる事の重要性を物語っているとも思っています。
更に、これほどの染織家が心を一にして取り組み、今日まで続けてこられたことは、京都を中心にした染織家の層の厚さを示しているとも言えるのではないでしょうか。
11年目を迎えるには、それ以前からの研究、経験、写生、取材を重ねての表現の結集として祇園祭との関わりの深さ、興味関心の広がりを感じます。
今回の10人も大半が初出品ですが、絹布、麻布、木綿布、和紙、ウール等の素材とロウ染、型染、箔押し、ステンシル、カッティング、平織等の技法を駆使して表現された大作群は、祭の「はれ」と制作者の心意気を最大限発揮されている様に見受けます。
是非、祇園祭にお出掛け頂き、併せて染・清流館での祇園祭展の会場で作品と触れ合っていただければと思います。 (第2期祇園祭展 監修 内藤 英治)
画像4点 すべて会場の様子
★昨年、内藤英治氏に同展の取材をさせていただいた時の様子はコチラ
●第11回 祇園祭展 |
「染・清流館」は、2006年、「日本の染色アートを世界に向けて発信する」こと を目的として京都に設立。
京都を拠点に活躍する作家100人の作品計約500点を所蔵し、巨匠から新鋭まで様々な染色作家達の作品を展示する、世界で初めての染色アートの専門美術館。
ホームページはコチラ
関連情報
①「第11回 祇園祭展」とあわせて、「2019祇園祭児童画展」も7月12日より開催されます。
併せてお楽しみください!
2018祇園祭児童画展
◆会 期 2019年7月12日(金)~7月24日(水)
※7月16日(火)、22日(月)休館
◆時 間 午前10時~午後5時
◆会 場 明倫ビル2階(染・清流館同ビル)
京都市中京区室町通錦小路上ル山伏山町550-1(京都芸術センター北隣)
◆料 金 無料
昨年の取材の様子はコチラ
② 祇園祭のハイライトである山鉾巡行の様子を、巡行以外の行事や祭りで賑わう人々の姿まで、上下巻約30メートルに渡って克明に描いた《祇園祭礼図巻》が注目の「横山華山展」も京都文化博物館で開催中です!詳細はコチラ