レオナルド・バルトリーニ陶展
Viaggio ai tempi antichi
イタリアで生まれ、現在は熊本で活躍されている陶芸家・レオナルド・バルトリーニ氏の個展を紹介します。
彼は、ヨーロッパの神秘的なオーラを放つ古代遺跡に誘発され、また、日本独特の歴史的建造物の意味や自然のエネルギーも体感しています。イタリアと日本の感覚の混在が、彼の作品に大きな影響を与えています。
また作品の表面には紀元前のイタリア・ギリシャで使われた「テラシジラータ」という技法の鮮やかなオレンジや黒を使っています。
展覧会名の「Viaggio ai tempi antichi」とは、イタリア語で「古代への旅」という意味です。イタリアと日本を行き来し、古代へ思いを馳せ、古代からの技術を現代に生かすバルトリーニ氏の世界をお楽しみください。
レオナルド・バルトリーニ氏(ご本人の作品の前で)
「ヨーロッパの陶芸教育は科学的ですが、日本の陶芸は五感で学ぶ。その違いを面白く感じています。
”釉薬フェチ”と言われるほど釉薬が大好きで、研究を重ねてきました。
日本の材料を使ってイタリアの製法で作ることで、他には無い色合いが出てきます。
お抹茶によく合う茶器もあるので、ぜひ手に取ってほしいです。」(レオナルド・バルトリーニ)
京都陶磁器会館学芸員よりの鑑賞ポイント!
レオナルド・バルトリーニさんの作品の特徴のひとつは「テラシジラータ」という伝統技法を使われている点です。
粒子の細かい土を塗られて磨かれた表面は独特の光沢が魅力です。また、焼成温度が低いため、鮮やかな発色と柔らかな肌触りになります。
この技法は、オブジェだけでなく器にも使われています。同様に焼成温度の低い樂焼きのように、ややデリケートですが、非常に使い心地が良いです。器は是非、お手に取って肌触りまでご鑑賞いただきたいです。
また、イタリアにお生まれになり日本で生活されてきたことで、両国の文化的背景をお持ちだからこその美意識が感じられると思います。
1階で個展を同時開催の台湾人、張義明さんも似た境遇で、この2週間に陶磁器会館にお越しいただければ、不思議な海外旅行をした気分になるかもしれません。 (学芸員 下村一真)
★お知らせ
10月26日(金)より平安神宮 額殿で開催される「第32回 京都芸術祭 美術部門 国際交流総合展」でもバルトリーニ氏の作品を見ることができます。お楽しみに!
●レオナルド・バルトリーニ陶展 Viaggio ai tempi antichi
◆会 期 平成30年10月19日(金)~10月30日(火)※木曜休館
◆時 間 午前10時~午後6時
◆会 場 京都陶磁器会館 2Fギャラリー
(京都市東山区東大路五条上る遊行前町583-1 市バス「五条坂」下車すぐ)
◆料 金 無料
◆主 催 一般財団法人 京都陶磁器協会
●京都陶磁器会館
写真=畠山崇
京都で活躍する作家・窯元の作品のみを厳選し、常設で現代の最新の京焼を展示・販売しています。
会館案内やイベント情報など、こちらのホームページからチェックしてください!→http://kyototoujikikaikan.or.jp/
―― やきものファンにおすすめの展覧会情報 ――
第3回日本陶磁協会奨励賞 関西展(京都・滋賀・奈良・和歌山・大阪・兵庫)
◆会 期 2018年10月21日(日)~2018年11月25日(日)
◆時 間 午前10時~午後5時
◆会 場 京セラ美術館
◆料 金 無料
◆H P http://www.j-ceramic.jp/
創立60周年記念 京都伝統陶芸家協会展
◆会 期 2018年10月20日(土)~2018年11月11日(日)
◆時 間 午前10時~午後5時(最終受付 午後4時30分)
◆会 場 白沙村荘 橋本関雪記念館
◆料 金 一般 1300円 学生 500円
◆H P http://www.hakusasonso.jp/exhibition/detail/post-36.html