王朝貴族の高い美意識と篤い信仰心の結晶でもある、高麗王朝後期に生み出された仏教絵画。阿弥陀如来、観音菩薩をはじめとするみほとけに満ちる気品と善意。それは柔和な表情、繊細な衣の文様、温雅な色彩などに表れています。東アジア絵画史において、独特の光彩を放ち、近年高く評価される高麗仏画ですが、現在その数は世界にわずか160点あまりです。本展では国内でまとめて観る機会のなかったその名品26点が一堂に集います。
※一部展示替えがあります
表千家家元而妙斎宗匠は平成26年に㐂寿を迎えられ、そのご自祝の茶事が平成27年2月から翌年3月にかけて利休居士のわび茶の道統を受け継ぐ家元不審菴において催されました。本展では、その道具組から懐石の献立に至るまでの茶事に込められたもてなしの心をたずねます。
20性前半のパリで活躍した女性画家マリー・ローランサンの没後60年を記念しての展覧会。初期から晩年にいたるまでの、油彩を中心とした約80点を紹介します。その可憐で気品あふれ、柔らかく愛らしいパステルカラーを用いた色彩による、彼女独特の造形世界をゆっくりお楽しみください。
全国の著名な美術家、宗教家、文化人ら約1,350人から、福祉のために、と寄贈していただいた作品をご覧のうえ、入札でお求めいただきます。
大津市伊香立にある新知恩院は、京都の知恩院が応仁の乱の際に疎開してできた浄土宗寺院で、疎開時にもたらされた知恩院ゆかりのものを始め、数々の宝物が伝来しています。大津市京町の乗念寺は大津の浄土宗組織「大津門中」の一カ寺として大津百町の町人や檀家信徒の信仰を集めました。本展では、伊香立の歴史の一端を今に伝える新知恩院と大津百町の歴史を物語る乗念寺に伝わる仏像や仏画、宝物を展示し、大津の浄土宗寺院の歴史について紹介します。
滋賀の文化財の保護と公開等を目的として昭和36年に開館した琵琶湖文化館。国宝、重要文化財を含む社寺からの寄託品も含まれるその所蔵品は、平成31年度にオープン予定の新美術館に引き継がれ、公開される予定です。本展では、琵琶湖文化館が守り伝えてきた滋賀の貴重な仏教・神道美術や、館が担ってきた機能を新美術館が継承してゆくことを伝え、期待を高めてもらうために開催します。
日本画家として知られる堂本印象(1891-1975)。その印象の生誕125年に際して、堂本印象生誕125年「INSHO EXPOSITION~天才!!印象ワールド~」を開催します。本展では、絵画だけではない、印象の知られざる工芸品や商品デザインを紹介。多彩な印象芸術の全容を読み解きます。
超絶技巧と独自の世界感で国内外に多くのファンを魅了する天才画家・伊藤若冲。生誕300年を迎える今年、各地で記念の展覧会等が開催されていますが、本展は、若冲が生まれ育ち、生涯のほとんどを過ごした京都で開催するものです。
“やきもののまち”として長い歴史と文化に支えられ、発展してきた信楽。この地には、伝統的な技術が今日に受け継がれており、窯跡や古い民家など、やきものの里としての風景や、高品質なお茶栽培の技術なども数多く残されています。『信楽まちなか芸術祭』は、これら「陶都・信楽」の財産を生かし、やきもの文化を多くの人に知っていただくと共に、信楽というまちがもつ多面的な魅力を発信していきます。
本展では、カタールの王族であるシェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アル サーニ殿下が収集されたインド宝石のコレクションから名品を選りすぐり、16~21世紀にわたる宝石の歴史とデザインを、時代の嗜好(しこう)の変化と共に追っていきます。インド宝石の最高峰を、ぜひご観覧ください。
江戸時代後期に彦根城下で花開いた湖東焼は、彦根藩の御用窯として、磁器を中心に染付、赤絵金彩など繊細で華やかな逸品を数多く焼成しました。しかし、最大の庇護者であった彦根藩主、井伊直弼の死と明治維新後の廃藩置県を経て衰退します。本展では名品約130点から湖東焼の全貌を紹介し、その珠玉の世界を展観します。
三蔵法師を鼻祖として崇め奉る法相宗大本山薬師寺が所蔵する寺宝から、シルクロードを旅する三蔵法師とその守護神を伝える絵画や彫刻、信仰の証が反映された文書類、『西遊記』を基に制作された浮世絵版画などを展観し、1400年の時を超えて語り継がれる真の三蔵法師の人物像に迫ります。
この秋から西本願寺で勤められる伝灯奉告法要を記念して、約800年の歴史を誇る浄土真宗と本願寺の展覧会を開催します。本展では、宗祖・親鸞聖人から安土桃山時代に活躍した第11代顕如宗主までの歴代宗主に加え、専如門主に受け継がれてきた法宝物をご紹介するとともに、かつての伝灯奉告法要に関連する映像や資料を展示します。また、国宝「三十六人家集」をはじめとする西本願寺の名宝の数々に加え、各地の浄土真宗寺院に所蔵される多様な法宝物など、約120件を公開します。
「院展」の名で親しまれている日本美術院は、明治31年に岡倉天心の指導のもとに創設された日本画の研究団体です。天心の没後、活動の中断を余儀なくされた時期もありましたが、横山大観らによって再興され、近代日本美術に大きく寄与してきました。昨年100回展を盛会に開催し、本展で101回展を迎えます。
自分にとってかけがえのない一碗を京都在住の著名人、六十数名の方々に出品いただき展観します。ぜひご来場ください。
その卓抜した芸術性で、没後50年を迎える今なお国内外で高い評価を受けている、河井寬次郎の陶芸作品をはじめとする仕事の全貌と、その深い精神世界を辿ります。
日本のハワイアンキルトの第一人者であるキャシー中島さん。2017年に迎えるキルト作家生活45周年を前に、そのパワフルな人生をキルト作品とともに辿(たど)ります。
尾形光琳没後300年、神坂雪佳生誕150年を記念して、「琳派展18 京の琳派―美を愉しむ―」を開催します。本展では、光琳、雪佳のほか俵屋宗達、尾形乾山、中村芳中らの優品を通じて、京都で受け継がれてきた琳派の流れを紹介。細見コレクションによる京琳派の美の世界をお楽しみください。
三代道入(通称ノンカウ)作 黒樂茶碗 「青山」が重要文化財に指定されました。「青山」は、艶やかな黒釉に萌黄色の鮮やかな抽象紋が描かれ、道入作品の中でも極めて斬新な作行きです。樂家初代長次郎を除く樂歴代の中では、三代道入の作品が初めて重要文化財の指定を受けました。本展では、道入の作品を一堂に展観し、その革新的でモダンな作陶の軌跡をたどります。
染色家・三浦景生は、野菜や植物などのモチーフを自由に色彩豊かに表現し、染色界の第一線を走り続けました。本展は、三浦景生の創作の軌跡をたどる初の回顧展です。詩情豊かな造形世界をお楽しみください。