【ことしるべ美術クラブ スタッフおススメのアートスポット!vol.145】名都美術館 特別展「小野竹喬 ー 風景と語らう画家 ー」

【ことしるべ美術クラブ スタッフおススメのアートスポット!vol.145】名都美術館 特別展「小野竹喬 ー 風景と語らう画家 ー」

特別展 
小 野 竹 喬
ー 風景と語らう画家 ー

風景と対峙し、詩情豊かな情景を描き残した小野竹喬の回顧展です。
明治22年(1889)現在の岡山県笠岡市に生まれた竹喬は、13歳で京都に出て竹内栖鳳に師事します。
西洋画の影響を受ける一方で南画表現などにも関心を示し、新たな日本画を模索。戦後も象徴的な風景描写に努め、昭和51年(1976)文化勲章を受章しました。
本展では笠岡市立竹喬美術館の全面的な協力を得て竹喬芸術をたどるほか、京都国立近代美術館が所蔵する晩年の傑作《奥の細道句抄絵》も特別展示します。
 

詳しい展覧会の見どころ紹介の前に、本展担当学芸員よりいただいた[ことしるべ]読者へのコメントを紹介します。

" 穏やかな風景を明快な色彩で描いた小野竹喬。本展では、75年の画業を通して生み出された作品を一堂に紹介します。  
中でも私のイチ押しは、前期に展示する《波切村》です。29歳の竹喬が三重県大王崎に取材し、第1回国展に出品した意欲作という意味でも注目に値しますが、うん十年前美術部員だった私もこの地を題材に作品を描いた思い出があります。  
竹喬の作品には、彼の故郷・岡山のほか、京都、滋賀、三重、さらに東北や北海道など様々な場所が登場します。  
皆さんも訪ねたことがある場所を作品に見出し、ご自身の思い出に残る風景と重ねて鑑賞してみてはいかがですか?  
きっと、今まで以上に竹喬さんを身近に感じていただけるはずです!! "

続いて、本展の見どころを紹介いたします。

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◇展覧会の見どころ◇

1 東海三県初の小野竹喬展
京都画壇で活躍し、全国にもその名が知られる小野竹喬ですが、これまでまとまった作品が東海三県で紹介される機会はありませんでした。
本展では、東海三県初の回顧展として、75年にわたる画業を約130点の規模で一堂にご紹介、その全貌に迫ります。


《樹間の茜》昭和49(1974)年 笠岡市立竹喬美術館蔵
 

2 東海三県の皆様にもお馴染みの風景
竹喬が大正7年に発表した《波切村》は、三重の大王崎に取材した作品です。
故郷の瀬戸内の海景に親しんだ竹喬だからこそ、故郷と異なる海の表情に心惹かれたのでしょう。竹喬の新鮮な驚きが伝わってくる作品です。
その他にも、富山の五箇山を描いた《夏の五箇山》、三重県の赤目の渓流を題材にしたと考えられている《清溪》など、東海地区の皆様にはお馴染の場所が登場します。


《波切村》大正7年(1918)右隻 前期展示

《波切村》大正7年(1918)左隻 前期展示

3 晩年の代表作を特別出品
本展は笠岡市立竹喬美術館の所蔵品を主として構成していますが、今回は竹喬晩年の代表作《奥の細道句抄絵》(京都国立近代美術館蔵)も特別出品します。
《奥の細道句抄絵》連作10点を前後期を通して一挙公開。松尾芭蕉が創造した詩情的な世界を竹喬独自の感性で描出した作品群は竹喬芸術の集大成といえるものです。

《奥の細道句抄絵 あかあかと日は難面もあきの風》昭和51年(1976)京都国立近代美術館蔵


4 スケッチ、挿絵、表紙絵、絵付など多角的に紹介
本画作品はもちろんのこと、スケッチや習作なども数多く所蔵する笠岡市立竹喬美術館。
竹喬の制作過程をご覧いただけるよう、スケッチや習作なども合わせて展覧するほか、大佛次郎の歴史小説『天皇の世紀』のために描かれた挿絵や、谷崎潤一郎の『細雪』、三島由紀夫の『美徳のよろめき』の表紙絵なども展示します。
また、竹喬が手がけた絵付の皿も紹介するなど、多彩な魅力をご覧いただきます。

5 交換展ならではのグッズ展開
笠岡市立竹喬美術館では、2020年10月17日~12月13日にかけて、「特別展 名都美術館名品展 優艶なる日本画」展を開催します。
つまり、今回の企画は「交換展」という形で、互いのコレクションを賃借した展覧会なのです。
交換展だからこそ叶った充実の展覧会内容に加え、普段は現地でしか購入できないオリジナルグッズもこの機会に取り揃えて販売します。
竹喬研究が散りばめられた図録とともに、お気に入りの記念品を見つけていただければ幸いです。

 

◆<特別展> 「小野竹喬 -風景と語らう画家-」
●会  場:名都美術館(愛知県長久手市杁ケ池301番地)HP http://www.meito.hayatele.co.jp/
●アクセス:名古屋から名古屋市営地下鉄東山線「藤が丘」、「東部丘陵線リニモ杁ヶ池(いりがいけ)公園駅」下車 2番出口から徒歩約5分
●開催期間:2020年10月9日(金) ~ 2020年12月13日(日)
      前期 / 10月9日(金)~11月8日(日)   後期 / 11月10日(火)~12月13日(日)
      ※前期、後期で全ての絵画作品を入れ替えます。
●開館時間:10:00~17:00 (入館は16:30まで)
●休館日 :月曜日(11/23(月・祝)開館、11/24(火)休館)
●料  金: 一般 1100円、大・高生800円、中学生以下無料
※障がい者手帳をお持ちの方は無料、付添の方 1名半額 ※20名以上2割引の団体割引あり ※愛知県陶磁美術館有料観覧券(2か月以内)を持参の方は2割引 ※各種割引制度の併用はできません
※特別割引:本展覧会の前期に有料で入館いただいた方に限り、本展覧会の後期展示は500円引にてご覧いただけます。受付にて本展覧会半券(使用済有料観覧券)をご提示ください(1回限り)。
●主    催:名都美術館・中日新聞社・日本経済新聞社
●特別協力:笠岡市立竹喬美術館
●後  援:愛知県教育委員会・名古屋市教育委員会・長久手市・長久手市教育委員会・京都新聞

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◆◆過去に取り上げた名都美術館の展覧会情報◆◆

・<所蔵品展> 「美人画LOVE -艶めく、色めく、華やぎの美-」
<所蔵品展> 故郷から羽ばたく画家たち - 中京出身の画家、川合玉堂、伊藤小坡、前田青邨を中心に -
特別展「鏑木清方 - 清くあれ、潔くあれ、うるはしくあれ -」
 

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こちらにもご注目!
京都でも小野竹喬の展覧会があります
特別企画展「小野竹喬・春男 ー 父と息子の切ない物語」


会場:京都府立堂本印象美術館 
会期:2020年10月6日(火)~11月23日(月・祝)

詳細はミュージアムHPより → https://insho-domoto.com/index-j.html