【ことしるべ美術クラブ スタッフおススメのアートスポット Vol.73】重要文化財杉本家住宅「祇園会 屏風飾り展」

【ことしるべ美術クラブ スタッフおススメのアートスポット Vol.73】重要文化財杉本家住宅「祇園会 屏風飾り展」

杉本家は江戸期寛保3年(1743年)創業の呉服商。京本店であった杉本家住宅は、四条烏丸の南西、綾小路通に面した大規模な京町家です。杉本家住宅が位置する下京区矢田町の担き山「伯牙山(はくがやま)」の祇園祭前祭に合わせ、「祇園会 屏風飾り展」が行われています。


本日7月10日より開催の「祇園会 屏風飾り展」。江戸期の屏風絵や掛け軸の数々、俵屋宗達「秋草図屏風」(※14日~16日のみ展示)などの貴重な美術工芸品が展示されます。
奈良屋記念  杉本家保存会・学芸部長の杉本歌子さんに案内をしていただき、その一部をご紹介いたします。

杉本さん「『屏風飾り』は山鉾町にある家々が所蔵する屏風を道行く人々に披露する、祇園祭り宵山期間の伝統的な行事です。ここでは屏風だけでなく、杉本家住宅の空間や暮らしの様子もご覧いただけます。屏風は本来、展示ケースの中ではなくお部屋にあるもの。ガラス越しではない本来の姿を見て、作品に込められた思いを感じ、文化遺産の大切さや未来へ受け継ぐことの重要さに思い至っていただければ幸いです。」


琴の名手であった伯牙をご神体とする「伯牙山」の故事をなぞらえ、神前飾りのように設えられた一室。
伯牙の演奏の良き理解者であった友人・鍾子期(しょうしき)を亡くした悲しみから、伯牙は琴の絃を断ち二度と弾くことはなかったといいます。軸「伯牙山図」に描かれた懸想品は現在も使用されており、当時の織物の鮮やかさを見ることができます。額は「峨洋」―「峨々たること泰山のごとし」「洋々たり江河を映ずる」鍾子期が伯牙の琴の音を称えた言葉です。

葦戸を通してやわらかい日差しと風が入り、夏を涼しく過ごす暮らしの知恵も感じられます。


「時代未草(ひつじくさ)屏風」を配した空間。屏風は場所によって立て方が工夫され、折り曲げ方の違いや光の当たり方で様々な雰囲気を味わうことができます。
金箔の屏風は、夜に蝋燭の灯で眺めると絵に奥行きが出て迫力が増すのだとか。日本画ならではの表現技法です。


夏らしく、涼しげな氷柱のあるお庭。氷が解けて落ちる水滴の音まで聞こえる穏やかな空間です。屏風飾りとあわせて、名勝の庭園もお楽しみください。
 

公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会 令和元年度夏の特別一般公開
 重要文化財杉本家住宅「祇園会 屏風飾り展」
日   時:7月10日(水)~12日(金)13:00~17:00
        7月14日(日)16:30~21:00
      7月15日(月)・16日(火)10:30~21:00
                  (俵屋宗達「秋草図屏風」は14日~16日のみ展示)
場   所:重要文化財杉本家住宅(京都市下京区綾小路通新町西入ル矢田町116)
入 場 料:大人ひとり1500円、高校生以下ひとり800円 事前申込不要
問い合わせ:公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会 電話:075-344-5724


☆☆☆祇園祭に関連する展覧会をお楽しみください

「横山崋山展」 2019年7月2日(火)~2019年8月17日(土)、京都文化博物館

「特別展 京都祇園祭 京の粋、今日の美~町衆の情熱と山鉾の風流~」 2020年3月24日(火)~2020年5月17日(日)、京都文化博物館