立命館大学国際平和ミュージアム 2019年度春季特別展
よみがえる沖縄 1935
麦わら帽をかぶり、ダツなどの魚を運ぶ漁師 1935年 沖縄 糸満(朝日新聞社提供)
アジア太平洋戦争末期、過酷な戦火にさらされた沖縄。その10年前、沖縄には人々の平和な暮らしがありました。にぎわう那覇の市場、のどかな軌道馬車、糸満の漁師たちが暮らす一方で忍び寄る戦争の影―。朝日新聞の記者が1935年に撮影し、「海洋ニッポン」という記事に掲載した写真には、貴重な戦前の沖縄の営みが写し取られていました。約80年を経て大阪本社で見つかった277コマのネガから、人工知能(AI)技術と住民の記憶によりカラー化した写真を含む厳選した約100点の写真に、朝日新聞・沖縄タイムスの共同取材時の解説を加え、「1935年の沖縄」を描き出す写真展を開催します。
本展は、2017年に日本新聞博物館で開催された展覧会の関西巡回ですが、立命館大学国際平和ミュージアムでの開催にあたり、当館所蔵の沖縄関連資料も展示します。
沖縄戦で一変した沖縄。戦前の沖縄の生活の中にも戦争の影響がひそみ、その後の沖縄と日本全体がたどった道とを合わせて考えることで、1935年以降、現代にも繋がる沖縄をめぐる問題に迫ります。
今回、本展担当学芸員の方より、コメントを頂戴しました。
” 今回の写真展では1935年の沖縄で暮らす人々の生き生きとした日常生活が蘇りました。
そこには、しのびよる戦争の影も見え隠れしています。当館収蔵の沖縄関連資料もあわせて展示し、ジャーナリスト、軍人、画家などいろいろな人が沖縄へ向けてきた“まなざし”がうかびあがります。
戦争によって10年後に失われてしまう風景を懐古的にみるだけではなく、写真の背景に何が隠れているのか深読みしながら、観覧していただけたらと思います。”
(立命館大学国際平和ミュージアム 学芸員 田鍬 美紀)
那覇市内にあった雑貨店 1935年 沖縄 (朝日新聞社提供)
●立命館大学国際平和ミュージアム2019年度春季特別展「よみがえる沖縄1935」
会 場 立命館大学国際平和ミュージアム 1階中野記念ホール
HP https://www.ritsumeikan-wp-museum.jp/
会 期 2019年4月13日(土)~6月29日(土)
休館日 日曜日、(ただし、4月14日、5月5日は開館)、4月30日(火)、5月2日(木)、6日(月)
時 間 9:30~16:30(入館は16:00まで)
観覧料 大人400円(350円)、中・高生300円(250円)、小学生200円(150円)
※( )内は20名以上の団体料金 ※立命館で学ぶ人、働く人は無料
※常設展もあわせてご覧いただけます
※KYOTOGRAPHIE共通パスポート提示で当写真展のみ1回限り無料
※5月18日(国際博物館の日)は無料
主 催 立命館大学国際平和ミュージアム・朝日新聞社・沖縄タイムス社
協 力 東京大学大学院情報学環・渡邉英徳研究室、KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭、フレームマン
後 援 京都府、京都市、京都府教育委員会、京都市教育委員会、京都市内博物館施設連絡協議会、朝日放送テレビ、京都新聞、KBS京都
●関連イベント
1 座談会&ギャラリートーク ネガ発見秘話と記者たちの思い
朝日新聞社と沖縄タイムス社の記者が、写真の発見と取材の経緯を語り合います。
その後、展覧会場内でギャラリートークを行います。
日時:2019年4月27日(土)13:00~15:00
会場:立命館大学国際平和ミュージアム 1階ロビー
定員:200名
(予約不要、座談会は聴講無料、ただしギャラリートーク参加には入館料かKYOTOGRAPHIE共通パスポートの提示が必要です)
■登壇者
・清水 隆 氏 朝日新聞大阪本社フォトアーカイブ
・吉田 拓史 氏 朝日新聞西部本社報道センター
・堀川 幸太郎 氏 沖縄タイムス編集局社会部南部報道部
コーディネーター:北村 順生 氏 立命館大学映像学部映像学科准教授
2 映画上映会 『海の民 沖縄島物語』&『やぎの冒険』
戦前の沖縄に関する映像と、現代の沖縄で撮影された映画の二本立ての上映を行います。
1942年、国家総動員体制づくりの宣伝用につくられた国策映画『海の民 沖縄島物語』と、食べることの意味を通して少年の成長を描き出した『やぎの冒険』を上映します。
上映作品:『海の民 沖縄島物語』(1942年/モノクロ/27分/東亜発聲映画製作/国立映画アーカイブ所蔵)
『やぎの冒険』(2010年/カラー/84分/監督:仲村颯悟/「やぎの冒険」製作委員会)
日時 : 2019年5月7日(火) 16:30~18:30
会場 : 立命館大学衣笠キャンパス 平井嘉一郎記念図書館 1階シアタールーム
定員 : 40名(予約不要、参加無料、先着順)※定員を超えた場合は、ご入場をお断りします。
KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭2019 アソシエイテッドプログラム
そのほかのKYOTOGRAPHIE関連プログラムのご案内
メインプログラム
「金氏徹平 S.F.(Splash Factory)」 (京都新聞ビル印刷工場跡(B1F)
「ヴィック・ムニーズ Shared Roots」(ASPHODEL)
関連プログラム
「KABUKI 藤十郎と仁左衛門 篠山紀信写真展」(美術館「えき」KYOTO)
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「こんなはずじゃなかった」 (京都新聞2Fギャラリー)