私と江戸絵画 エピソード紹介②

私と江戸絵画 エピソード紹介②

細見美術館の開館20周年を記念して、[ことしるべ]とのコラボ企画として実施している「私と江戸絵画 エピソード募集」。応募いただきましたエピソードの一部をご紹介します。
抽選で細見美術館の年間パスポート(2018年4月~使用可)が当たる本企画は3月31日まで受付中です。ぜひご応募ください!

第一弾=伊藤若冲を中心にご紹介
http://event.kyoto-np.co.jp/feature/1510029665.0685/1515236013.3773.html

第二弾=抱一・其一など江戸琳派をご紹介
http://event.kyoto-np.co.jp/feature/1510029665.0685/1517806478.5171.html

【エピソード②】

十数年前の春、新生活の記念にと京都御所を訪れた。休憩所の一角に土産物が置かれていた。ふと目に飛び込んできた、鮮やかな色彩の絵葉書。赤と黒、あ、にわとりだ…。
思わず手に取り目を凝らせば、羽一枚一枚が浮かび上がるような繊細な筆遣いが窺える。大胆な構図を丹念な筆致が支えていた。まさに“神は細部に宿る”。
それから、独特の陰影を放つ日本画に惹かれるようになった。後に、絵葉書を買わなかったことを幾度後悔しただろう。

昨今の若冲ブームには目を見張る。小学生の息子までもが本物を観たいと言う。
ならばすぐ行こう。母も雪を背にした雄鶏を間近に見たいから。そして冬のある日、親子で若冲に会いに行った。


作品=伊藤若冲 雪中雄鶏図