12月25日、京都国立近代美術館で「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」関連イベント、連続対談が開催されました。この連続対談は、樂家十五代 樂吉左衞門さんが様々な分野で活躍するゲストをお招きして対談するものです。
第3回目となる今回のゲストは、京都大学総長の山極壽一さん。
異なる専門分野から意見を交わす吉左衞門さん(左)と山極さん
山極さんは初代長次郎と十五代 吉左衞門さんそれぞれの“黒”を「長次郎は昼間の黒で、太陽の光を吸収し鮮やかな色を秘めている一方、吉左衞門さんは夜の黒で、自ら光を放ち、月の明かりを受けてさらに輝きを増す」と表現。吉左衞門さんは「こういう感想は初めて」としつつ、「確かに面白いことに私の作品の名前は夜に関わるものが多いのです」と応えていました。その後、それぞれの自然に対する考え方や世界観を披露。吉左衞門さんが、アトリエを山奥に構えているエピソードも交え、「生活が変容し続けている中で、もっともっと大地に近づいていかないといけない」とそれぞれの立場で語り合いました。
次回、2017年1月4日(水)の連続対談のゲストは、金剛流二十六世宗家の金剛永謹さん。当日午前10時から1階受付にて整理券を配布します(聴講無料、150席、本展の観覧券提示が必要)。この機会にぜひ、樂茶碗の魅力に触れてみてください。