「京都 日本画新展2022」
出品されている33名の作家を、順番にご紹介します。
沈楠(しん・なん)さん
1993年中国湖北省生まれ
湖北美術大学水彩画専攻卒業(中国)
京都市立げ芸術大学大学院美術研究科日本画専攻修了
現在 京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程日本画領域在籍
◉出品作品
「松明・余煙」(たいまつ・よえん)
<本展出品作について作家より>
木をいつもモチーフとして描いているけれど、木自体より木が受容される空間に満ちる風の流動感を表すことによる「開かれる絵」に関心がある。木の輪郭は土台を支えて、空間の一部的なものにとどめられている。木と煙の輪郭が現れたり消えたりすることによって消えるときに際立ってくるものがあるという感覚を重視している。
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田尾桜(たお・さくら)さん
1996年滋賀県生まれ
嵯峨美術大学芸術学部卒業
現在 嵯峨美術大学大学院芸術研究科在籍
◉出品作品
「移ろい Ⅱ」(うつろい Ⅱ)
<本展出品作について作家より>
大学の庭にある酔芙蓉の花は今年も美しい。初めて酔芙蓉を描いた2年前の記憶が懐かしくも鮮明に思い出される。花も人も次々と表情を変え変化し続ける。儚いからこそ記憶に留めたく思うのかも知れない。寄り添うように大切に見守ってくれているかと思えば、素っ気なく他人のように涼しい顔をしていたりもする。そんな酔芙蓉の花を眺めていると様々な事が浮かんでは消えていく。
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高畑彩佳(たかばたけ・さやか)さん
1995年香川県生まれ
京都造形芸術大学美術工芸学科日本画コース卒業
京都造形芸術大学大学院博士課程ペインティング領域修了
現在 京都芸術大学非常勤講師
◉出品作品
「線刻山水図」(せんこくさんすいず)
<本展出品作について作家より>
数年前、出身地である香川の島の、誰もいないはずの山道にて何かの気配を感じた。あたりを見渡すと、法面の排水口が水を垂れ流しながら静かに佇んでいた。モルタルで覆われた山。奥の見えない細く深い孔。乾いた空気と冷たい湿気が混じりあう場所で、人口の小さな孔で調整される地下水に万物の流転を見た。
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