「第9回 The NIHONGA ―伝統と創造―」が7月23日(日)まで京都文化博物館で開催中です。
伝統や写生から学びながらも、「過去にとらわれない」「流行に惑わされない」姿勢を貫き、古今東西の美術を検証し、世界性のある日本画を考え創造することを目的に活動しているグループ展。本展で9回目を迎えます。展示会場の広さを活かし、大きな画面の作品や連作が並びます。まるで作家それぞれの作品が響き合うかのようです。
出品作家の佐々木真士さんに会場でお話を伺うことができました。佐々木さんは大学卒業と同時にインドへ旅に出たことをきっかけに、厳しい自然環境のなかで暮らす人々の様に魅了されます。以来、約20年インドへの旅を重ねていらっしゃいます。「インドには様々な宗教があり、歴史や文化、生活と結びついています。信仰や考えが異なってもお互いの存在を尊重し合いながら暮らしているのです。初めての旅でインドに魅了されてから、同地を題材にした作品を描いています。」とお話くださいました。
本展出品作品名は「衣掛けの木」です。木に掛けられているのは、インドの女性民族衣装。様々な衣が巻きつけられた光景は、願いや祈りが捧げられた痕跡のようです。「現地ではカメラを持たずに写生にこだわり、何日も同じ場所に座って描き続けます。カメラで撮影するのではなく、徹底的に写生することで、自分が描きたい景色とじっくりと向き合いたいと思っています。写生をしていると声をかけてくれる現地の方もいらっしゃいますよ。」と続けてお話しくださいました。鮮烈な色彩美を前面に押し出した本作。佐々木さんの大作をぜひご覧ください。
7月22日(土)14:00~は出品作家によるギャラリートークが開催予定です。第9回を迎える本展をどうぞお楽しみください。
<展覧会概要>
展覧会名:「第9回 The NIHONGA ―伝統と創造―」
日時:2017年7月19日(水)~7月23日(日)10:00~18:00
※最終日は17:00まで
場所:京都府京都文化博物館5階(京都市中京区三条高倉)
<「京都 日本画新展」関連の出品者>
後藤吉晃さん、佐々木真士さん、田住真之介さん