アンスティチュ・フランセ関西の文化プログラム主任 ベアトリス・オルヌさんに聞く「京都の可能性」【前編】

―京都に来られてどれぐらい経ちますか
2016年9月に京都に赴任しました。今は2年目です。以前にも京都へはバカンスで来たことがあり、そのときは金閣寺や伏見稲荷大社など、歴史のある観光地を訪ねました。


―文化プログラム主任として赴任され、感じられていることはありますか
文化的な生活という観点でいうと、パリと京都では、とても違いを感じています。
パリはフランスの首都であり、文化的な中心地でもあります。建築をはじめ、現代的なアートが進化を続けており、長くそういった傾向を持ち続けています。
一方、京都では現代的なアートが盛んではありますが、まだ歴史的な遺産に依存をしていると感じることがあります。これは歴史があまりに豊かであるがゆえに仕方の無いことでもあり、京都においてはとても重要なことだと思います。そんな中、現代的なアートに強いイニシアティブをもって実践するアーティストも生まれてきていますね。

―京都における現代的なアートのあり方についてどう思いますか
ひとつ目はすでにあるさまざまな企画に、もっと価値を見出してもらいたいと思います。国際舞台芸術フェスティバル「KYOTO EXPERIMENT」や「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭」、またアンスティチュ・フランセ関西が京都市との共催で催している「ニュイ・ブランシュKYOTO」などでしょうか。こういった催しはまだ進化する余地があると思います。ただ、もっと広く浸透していくためには、新たな息吹や取り組みが必要です。例えば「ニュイ・ブランシュKYOTO」においては、もっと公共のスペースで展示することができれば、さらに皆さんの関心を引けることでしょう。

また、京都は芸術系大学が最も密集している街だと聞いています。学生や教授をはじめ、大学と協力をして仕事をしていくことも重要ではと感じています。


後編に続く