龍谷大学 龍谷ミュージアム 木田館長 ご挨拶、みどころ紹介

龍谷大学 龍谷ミュージアム 木田館長 ご挨拶、みどころ紹介

          

多くの方々の御協力によって龍谷ミュージアムの特別展「浄土真宗と本願寺の名宝Ⅰ―受け継がれる美とこころ―」を開催することができました。今月1日から西本願寺で営まれている「第25代専如門主 伝灯奉告法要」(来年5月31日まで)を記念し、浄土真宗の宗祖親鸞から現代に至る宗門継承の歩みを展示し、本願寺と寺派寺院が所有する文化財を展観するものです。本展では宗祖親鸞から第3代宗主覚如、第8代の蓮如を経て戦国期の第11代顕如までを対象とします。

多くの展示品の中から特に名宝2点を紹介すると、先ず期間限定で特別公開される「鏡御影」が挙げられます。宗祖親鸞の代表的な肖像画(似絵)で、その相貌を写実的に活写した名品で「安城御影」とともに国宝に指定されています。次に西本願寺所蔵の国宝「三十六人家集」は三十六歌仙の和歌を美麗な料紙に能書家が書写した平安王朝文化を象徴する名宝中の名宝です。伝存する全37帖の中から本展では小野小町・藤原元真・大伴家持・壬生忠見・藤原敦忠の五家の歌集を出陳します。ちなみに「忠見集」の料紙下絵に描かれた水面の美しい波形は、龍谷ミュージアム入口門扉のデザインにも採用されています。

貴重な名宝が一堂に並ぶこの機会にミュージアムにお越しください。

※「安城御影」は来春の特別展「浄土真宗と本願寺の名宝Ⅱ―守り伝える美とおしえ―」で公開予定です。

                             龍谷大学 龍谷ミュージアム 館長 木田知生