

金唐革はルネサンス期に寺院や宮殿の室内装飾として発明された皮革芸術で、その当時の著名な芸術家が携わって作り出されたと考えられています。そして金唐革はその後ヨーロッパ各地に広がりました。
ただ、約200年前に技術の伝承が出来ず忽然と亡びてしまい、それ以降全く制作されなくなってしまいました。

金唐皮の制作工程の一部
今展覧会では、500年以上前のルネサンス期に作られた貴重な金唐革から、現代の科学調査により再現し、蘇らせた金唐革作品(額装品、バッグ、財布小物など)までを展観。
金唐革の伝統的な技法を唯一伝承し、金唐革の素晴らしさや貴重な技術を後世に伝えるとともにチェリデザイン工房を支えた徳力彦之助、徳力康乃の作品と現在もそれを継承し、現代に伝える徳力竜生の作品が一堂に並びます。
「幻の芸術」の復元された姿をぜひお楽しみください。

「カルテット」徳力彦之助
「クライマックス」徳力康乃
「薔薇」徳力竜生
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会場:武家屋敷 赤井家住宅 |
チェリデザイン工房の建築について

金唐革が制作されている京都のチェリデザイン工房は1935年に建築されました。建物に使われている内装品は当時 徳力彦之助が大阪の倉庫に保管されていた古い英国客船の一部を購入し、それに合わせて設計、建築。英国チューダー様式を採用して建てられた建物には古いステンドグラスやマントルピースなどが使われています。後にこの英国客船について調べたところ、タイタニック号と同じホワイトスターライン社によって1907年に作られた姉妹船二代目アドリアティック号という客船で、タイタニック号が沈没事故を起こした際の生存者を英国まで送り届けた歴史的にも貴重な船の一部から作られていたことがわかっています。※体験や見学には予約が必要です
チェリデザイン工房 旧德力彦之助邸 京都市右京区太秦組石町2-2
HP http://web.kyoto-inet.or.jp/people/celli/

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お知らせ
ガラス作家としての徳力竜生氏の作品を観ることのできる「工芸美術 創工会展」が2025年11月19日(水)より京都文化博物館で開催されます。
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