【ことしるべ美術クラブ スタッフおススメのアートスポット vol.129】京都文化博物館 特別企画展「池大雅−文人たちの交流−」

【ことしるべ美術クラブ スタッフおススメのアートスポット vol.129】京都文化博物館 特別企画展「池大雅−文人たちの交流−」

特別企画展「池大雅−文人たちの交流−」
 

 池大雅は享保8年(1723)京都に生まれ、幼い頃から書をよくし、文人画といわれる分野で活躍しました。中国に端を発する「文人」たちは、幅広い教養と知識をもって国のあるべき姿を問うた人々です。彼らは互いに漢詩を送りあったり、共に書画を作りあげたりしながら、理想の国家、理想の生き方を論じました。大雅が生きた時代、日本でもまた地位や立場を問わず、文人たちは諸国を行き来して知見を深めていました。大雅も中国の文人画に学びながら、同時代を生きる知識人たちと交わりました。さらに没後は多くの文人たちが、大雅への憧れを口にしています。
 本展では、池大雅美術館から京都府に寄贈されたコレクションを中心に、大雅をめぐる文人たちの交流をご紹介します。



★[ことしるべ]読者の皆さんに向けて、京都文化博物館の本展担当学芸員の有賀茜さんより見どころ解説を頂戴しましたので紹介します!

 大雅は日本における文人画の大家として知られ、これまでに多くの研究、展覧会が積み上げられてきました。生前から彼の周辺には文人だけでなく、ご近所からも絵を求める人々が集まり、大雅はいつでも「ハイハイ」と答えたと伝わります。これほどまでに人を惹きつける理由は、いったいどこにあるのでしょうか。
 文人画と聞くとつい身がまえてしまうかもしれませんが、今回の展示では大雅の人となりを伝える資料をたくさんご紹介します。書の神童とうたわれ、扇屋を営んだ大雅。諸国を旅し、山に登る大雅。友と手紙を交換し、妻と和歌や画作にいそしむ大雅。そして亡くなってなお、多くの弟子に尊敬されつづけた大雅。展覧会場ではぜひ自由に心をひらき、文人たちの世界に遊んでみてほしいと思っています。

 



●主な展示作品●


池大雅 山亭小酌之図 京都府蔵(京都文化博物館管理)池大雅美術館コレクション


池大雅 慶子老舞踏図 京都府蔵(京都文化博物館管理)池大雅美術館コレクション


池大雅 高士訪隠図屏風 京都府蔵(京都文化博物館管理)池大雅美術館コレクション


池大雅 重文 柳下童子之図 京都府蔵(京都文化博物館管理)池大雅美術館コレクション

 

【同時開催】
3階特別企画展「木島櫻谷と京都画壇―京都 三条・大橋家コレクション―」もあわせてお楽しみください。


 

特別企画展「池大雅−文人たちの交流−」

◆会    期:2020年8月12日(水)~2020年9月22日(火・祝)
        ※会期中展示替えあり
◆開  室  時  間:午前10時~午後6時(金曜日は午後7時30分まで)※入室はそれぞれ30分前まで
◆休  館  日:月曜日(9月21日は開館)
◆会    場:京都文化博物館 4階展示室(京都市中京区三条高倉)
◆ホームページ:http://www.bunpaku.or.jp/
◆入  場  料:一般・大学生800円(600円)※当日券のみ 高校生以下無料
           ※( )内は20名以上の団体料金
           ※上記料金で3階特別企画展「木島櫻谷と京都画壇―京都 三条・大橋家コレクション―」
            2階総合展示もご覧いただけます。
◆主    催:京都府、京都文化博物館
◆後    援:京都新聞
◆備    考:新型コロナウイルス感染症の今後の状況により、
        予定を変更する場合もございますのでご了承ください。