【ことしるべ美術クラブ スタッフおススメのアートスポット vol.125】ギャラリーなかむら「美飾會」②陶芸作家・田中悠氏

【ことしるべ美術クラブ スタッフおススメのアートスポット vol.125】ギャラリーなかむら「美飾會」②陶芸作家・田中悠氏

美飾會

陶芸作家・川瀬理央氏や田中悠氏らが出品するグループ展がギャラリーなかむらで開催中です。
会場に伺い、川瀬氏と田中氏にお話をお聞きしましたので、その様子を2回に分けてお伝えします。
前回の川瀬氏に続き、今回は田中氏の作品とその思いをご紹介します。


田中悠氏

――ぱっと見ると風呂敷のようですが…何でできているのでしょうか?
実は陶器なんです。紐作りという技法で作っています。粘土で紐を作り、土台を作った後、それを巻き上げるようにして積み上げる技法です。
土で布の本物のしわを再現しています。

――型を作って、ではないのですね。ずっとこのような作品を制作されているんですか?
7年ほど包むことをイメージした作品を作っています。
包みの中に大きな壺が入っているように見えると思います。
一つの作品に外側の包みと内側の壺、二つのものの存在を感じてもらいたいと思っています。

 

――たしかに、作品によって包まれているものが違うように感じます。大きな作品ですが、一度に焼き上げるのでしょうか?
本体部分と結び目は別で、それぞれ3~4回に分けて焼いています。
焼く前の土は柔らかく重力に負けてしまうので、何カ所もさまざまな長さの角柱で支えながら土を巻き上げていきます。
実は、焼く工程よりも仕上げの磨く工程のほうが大変なんです。
粗い土を8工程ほどかけて磨きます。制作には約3カ月かかりますが、磨くだけで1カ月かけています。

――今回は黄色の作品が多いですね。
はい。身近にある布が茶碗を包むウコン布だったので、黄色にしました。
しわの奥行を出すために、最初にオレンジ、そして黄色、最後にまた違う黄色を重ねています。


――近づくとさまざまな色が見えてきます。特に大きい作品は重厚感を感じますね。
とても持ち上げられない重さに見えますが、中は空洞です。この作品ですと、15~16kgなので一人で持ち上げられるくらいです。

2回にわたってお伝えした「美飾會」展。ぜひご来場ください。


★田中悠氏の情報はこちら★
ホームページ →https://yutanaka-hp.wixsite.com/ceramic
Facebook →https://www.facebook.com/yu.t.ceramic
Instagram →https://www.instagram.com/yutanaka1408/
 

● 美飾會 ●
会 期 2020年7月14日(火)~8月2日(日)月曜休廊
時 間 午前11時~午後7時
会 場 ギャラリー なかむら (京都市中京区姉小路通河原町東入 恵比須町424番地 ABSビル2F)
     電話:075-231-6632
料 金 無料