「京都 日本画新展2022」
出品されている33名の作家を、順番にご紹介します。
野一色優美(のいしき・ゆみ)さん
1998年大阪府生まれ
成安造形大学芸術学部芸術学科美術領域日本画コース卒業
現在 成安造形大学芸術学部髙田学研究室在学
◉出品作品
「午後二時の雨音」(ここにじのあまおと)
<本展出品作について作家より>
「存在の在り処」をテーマに制作しました。このテーマでは、絵具の層を積み重ね、それを洗い落とす工程を繰り返すことで、層の中で対象の存在を確かめるように表現しています。今回の作品では、自分自身の日々の記憶を基に、予定が無くなってしまった虚しさと雨の音とを思い重ね、悲しげな人物の内面性を探るように描きました。
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野上徹(のがみ・とおる)さん
1977年奈良県生まれ
大阪芸術大学大学院芸術制作研究科修士課程修了
◉出品作品
「ゆらぎの光景」
<本展出品作について作家より>
人との繋がりが緊密である人ほどCOVID-19の猛威はこたえたのだろうか。変容する社会から取り残されたように描き続ける自分に戸惑いはない。面相筆でひとつひとつ、レイヤーを重ねるように形を紡ぎ出していく。形が形をよび構築された画面のゆらぐ光景と、滲む絵具の片隅に「何か」が宿ればいいと思っている。
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波賀野文子(はがの・ふみこ)さん
1991年神奈川県生まれ
女子美術大学芸術学部絵画学科日本画専攻卒業
現在 京都精華大学大学院芸術研究科博士後期課程芸術専攻在籍
◉出品作品
「爆ぜる」(はぜる)
<本展出品作について作家より>
山深い清流だけではなく、京都の鴨川など、人々の生活の身近なところにも生息しているオオサンショウウオ。その巨体と悠然とした佇まいからは、太古より姿を変えず生き続けてきた、しなやかな強さを感じさせる。ばちばちと火が爆ぜるかのような生命力の輝きと、凪のような静けさを併せ持った様相を描いた。
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