石山寺  湖都しるべ ~大津歴博「神仏のかたち」編~

瀬田川のほとり、伽藍山の麓に位置する真言宗の大本山。天平19(747)年、奈良東大寺の別当・良弁僧正が創建。境内の至る所に寺名の由来となった硅灰石(天然記念物)があり、数々の堂宇がその上に建てられている。平安時代には真言宗の寺院となり、数多くの貴族や女流文学者が参拝する「石山詣」が盛んになった。その中でも紫式部が「源氏物語」を石山寺参篭中に起筆したという伝説は有名で「文学の寺」とも呼ばれている。この他に西国三十三所観音霊場第13番札所や、湖国近江の名勝・近江八景の一つ「石山秋月」としても知られる。
 


「硅灰石(天然記念物)」

「多宝塔(国宝)」

「紫式部像」


石山寺からの出展物
「重要文化財 大日如来坐像」

建久5年(1194)源頼朝が寄進した石山寺多宝塔に安置。頭部内に「アン(梵字)阿弥陀仏」と墨書銘があり、そう名乗っていた快慶初期の頃の制作とわかります。張りがある端正な面相は、目じりが上がる意思的な表情を表しています。高さのある髻から左右の肩にかかる垂髪、横に張った肘と膝からうまれる二等辺三角形のシルエットは均整がとれ、安定感を感じさせます。膝に見える衣文は同心円状でリズム感があり、そこからみえる足の表現も写実的で力強い表現です。なお、頭部が大きく膝の厚みが薄いのは、高い須美壇の上に安置することを考慮した工夫です。快慶がもっとも精力的に活動を行っていた時期の優品です。(『神仏のかたち』展示解説図録より引用)

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■基本情報

住所:滋賀県大津市石山寺1-1-1

アクセス:京阪石山坂本線「石山寺駅」より徒歩約10分

拝観時間:午前9時~午後4時30分(入山は午後4時まで)

入山料:600円

電話番号:077-537-0013

HPアドレス:https://www.ishiyamadera.or.jp/

■関連情報

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