園城寺(三井寺) 湖都しるべ ~大津歴博「神仏のかたち」編~

琵琶湖南西の長等山中腹に位置する三井寺は、天台寺門宗の総本山で、正式名称は「長等山園城寺(ながらさんおんじょうじ)」という。7世紀に大友与多王が壬申の乱に敗れた父・大友皇子の霊を弔うために創建。平安時代に第五代天台座主・智証大師円珍和尚によって天台別院として中興された。日本三不動の一つである「黄不動」で著名な寺院で、観音堂は西国三十三所観音霊場の第14番札所である。また湖国近江の名勝・近江八景の一つ「三井の晩鐘」でも知られている。



「大門(重要文化財)」


「三重塔(重要文化財)」


三井寺(園城寺)からの出展物
「普賢菩薩坐像」

園城寺の南院の普賢堂に伝来。南院の中心的堂宇、三尾(みお)社の本地仏は普賢菩薩で、普賢堂は三尾社に接し、本地堂の役割を持っていました。ただし、本像はかなりの小像であり、普賢堂の本尊(現在は近世の像が安置)というよりは、念持仏として個人的な信仰のために造立されたと思われます。大きめの頭部には、角ばって張りのある面相を表し、肉身は金泥、頭部は青色を塗っています。ずんぐりとした体躯には、覆肩衣(ふっけんえ)と衲衣(のうえ)をつけ、金泥地に截金と盛上彩色によって文様を表しています。その個性的な髻や耳のかたち、相貌、大ぶりな衣文の表現から、南北朝時代に院派によって造立されたと考えられます。小像ながらも細部まで繊細に造られています。(『神仏のかたち』展示解説図録より引用)

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■基本情報

住所:滋賀県大津市園城寺町246

アクセス:京阪石山坂本線「三井寺駅」より徒歩約10分

参拝時間:午前8時~午後5時 ※年中無休
     指定文化財収蔵庫は午前8時30分~午後4時30分(受付終了は午後4時)

入山料:大人600円、中高生300円、小学生200円

電話番号:077-522-2238

HPアドレス:http://www.shiga-miidera.or.jp/
      三井寺公式観光サイトはhttp://miidera1200.jp/

■関連情報

「三井寺の晩鐘 紅葉青空コンサート」は11月17日(土)・18日(日)午前11時30分~午後4時に開催です。

「びわ湖大津歴史百科 ワークショップ 第12回中世の神仏習合世界と園城寺」は12月1日(土)に開催です。大阪大学招聘教授・高島幸次氏の講演と国宝勧学院客殿の見学を行います。

※関連情報の詳細については三井寺までお問い合わせください。