法華経ものがたり~その1~

法華経ものがたり~その1~

《法華経 巻二》千光寺(赤磐市)

 

 

昔々のお話。

ある国の長者の屋敷に火の手が上がりました。

ところが家の中にいる息子たちは遊びに夢中で家事に気付かず、外に出ようとしません。

 

 

長者は一計を案じ、

「お前たちにすてきなおもちゃをあげよう。羊・鹿・牛の車だよ」と告げ、

息子たちを屋敷の外へおびき寄せて

さらに豪華な「大白牛車(だいびゃくごしゃ)」を与えました。

 

 

燃え盛る屋敷はこの世、

息子たちは私たち衆生、

長者はお釈迦さん、

羊・鹿・牛の車は悟りへ到達するための方法、

大白牛車はたった一つの真実の教えを象徴しています。

 

―「譬喩品(ひゆぼん) 第三」より