泉屋博古館にて開催中の「開館60周年記念名品展Ⅱ 泉屋博古#住友コレクションの原点」では、同館コレクションを代表する名品が一堂に展示されています。
関連イベントとして、毎週水曜日、15時から講堂にて学芸員によるスライドトークを行っています。前回に引き続き、11月4日に行われたスライドトークを一部レポートいたします。
※当初ギャラリートークの予定でしたが感染症予防対策のため、講堂でのスライドトークに変更となりました。
●竹取物語絵巻 江戸(17世紀)【展示期間:11/15まで】
竹嶋:『竹取物語』自体は平安時代に成立し、『源氏物語』の中にも竹取物語の絵巻が登場します。しかし現存するのはほとんど江戸時代以降のものです。とても有名な物語ですので、どこの場面をどのように描くか、ある程度の「お決まり」が存在します。その中でどのように工夫するかが見どころの一つです。また、物語からどのように絵画化するか、どのような絵画を参考にして描いたのかなど、考えるのも面白いです。
今回展示している場面はかぐや姫に迎えの天人が来たシーンで、この天人たちの図の典拠は極楽浄土から阿弥陀如来がこの世に来迎する様を描いた来迎図ではないかと考えられます。2013年に公開されたジブリ映画でもこのシーンは来迎図を連想させる表現が使われています。典拠を探しながら作品と接するのも楽しみ方のひとつですね。
【今後の予定】 ・水曜日のギャラリー・トーク ・ギャラリー・トーク[青銅器・鏡篇] |