【開催報告】学芸員によるスライドトークを開催①

【開催報告】学芸員によるスライドトークを開催①

泉屋博古館にて開催中の開館60周年記念名品展Ⅱ 泉屋博古#住友コレクションの原点」では、同館コレクションを代表する名品が一堂に展示されています。

関連イベントとして、毎週水曜日、15時から講堂にて学芸員によるスライドトークを行っています。今回は11月4日に行われたスライドトークを一部レポートいたします。
※当初ギャラリートークの予定でしたが感染症予防対策のため、講堂でのスライドトークに変更となりました。


●海北友雪《日吉山王祭礼図屏風》江戸時代(17世紀) 【展示期間:11/15まで】

今回の展示を担当した竹嶋康平さん(泉屋博古館学芸員)が実際に日吉大社を訪れた際の写真と照らし合わせ、解説していただきました。

竹嶋:滋賀県の大津市で行われる山王祭を描いた作品で、右隻は日吉社から坂本の町へかつがれる神輿と人々の様子を、左隻には琵琶湖に進んだ神輿や粟津御供(あわずのごく)をのせた船などが描かれています。大変緻密で、現在の街並みや日吉大社と見比べても配置がぴったりと重なります。どの社か見分けるには屋根の形を見てください。

右隻 一部


まず探していただきたいのは祭の屏風に必ず描かれる酔っ払いの姿です。個性豊かで見ていて楽しいですよ。そして境内に入る所の大宮橋。現在は石橋ですが、絵の中では木橋に見受けられます。これは1666年に木から石に作り直されたとされ、この作品がいつ描かれたものか考える上で手掛かりにはなりますが、過去の景観をあえて描く場合もあるので、決定打とはいえません。

 

 右隻 一部


そして珍しいのは日吉東照宮の描写です。祭りにあまり関係のない社ですが、その描写は細やかです。これには作者の友雪が父、友松の縁で春日局に引き立てられ、幕府の仕事を受け持っていたことに関係があると考えられます。この日吉東照宮は祖父、徳川家康を敬慕していた家光が3代将軍に就任した年に造営されました。この絵が描かれた背景には徳川家が関係したのかもしれません。

右隻 一部


屏風全体を見ると、神輿が右隻から左隻に、日吉社から琵琶湖へと運ばれていく祭の様子を窺うことができます。
今年の山王祭はコロナの影響で中止となりましたが屏風を眺めてお祭り気分を味わってください。

 

 

【今後の予定】

・水曜日のギャラリー・トーク
絵画、工芸の名品を解説。
日時:11月11日、11月18日、11月25日、12月2日

・ギャラリー・トーク[青銅器・鏡篇]
日時:11月19日(木)

会場:泉屋博古館 講堂  定員:40名 
いずれも15時から 
※別途、入館料が必要です。
※電話予約優先 TEL:075-771-6411(各日7日前の10時から受付開始)