細見美術館で12月22日(日)まで開催中の「琳派展21 没後200年 中村芳中」は”かわいい”がたくさん詰まった展覧会です。
展示構成は「芳中の琳派―たっぷり、「たらし込み」―」「大坂と芳中―楽しみながら、おもしろく―」「芳中と俳諧―ゆるくて、ほのぼの―」「版本と芳中―「かわいい」がいっぱい―」。
琳派様式の芳中作品から、卵や盃・指など絵筆以外を用いて描かれた作品、俳人たちとの交流の中で描かれた俳画、「かわいい」芳中画が数多く収録された版本など、中村芳中の魅力たっぷりの展示内容となっています。
ちなみに、芳中だけでなく耳鳥斎や鍬形蕙斎など芳中とほぼ同時代に活躍した、「かわいい」作品を描く作家の作品も一部展示されています。
ここでは展覧会場で見つけた、芳中のいろんな「かわいい」を紹介します!
※会場内は写真撮影禁止です。本記事の写真は特別な許可を得て撮影しています。
「十二ヵ月花卉図押絵貼屛風」に描かれた四季の花は、簡略化された形とぽってりとした太い線が醸し出す味わいに癒されます。
中村芳中「十二ヵ月花卉図押絵貼屛風」(部分)個人蔵
芳中の描く動物はなぜか口が開いているものが多いです。
「月に萩鹿図」の鹿も、「白梅小禽図屏風」の鳥も口がぱかーん。
とぼけたような妙な愛らしさがありますね。
(左)中村芳中「月に萩鹿図」(部分)細見美術館蔵 (右)中村芳中「白梅小禽図屏風」(部分)細見美術館蔵
芳中の描く人物は基本笑顔!
「童子図」の子どもたちはみんなニコニコ、楽しそう。
中村芳中「童子図」(「諸家画帖」より)個人蔵
中村芳中「童子図」(「諸家画帖」より)部分 個人蔵
グッズでおなじみの仔犬たちももちろん展示されています。
まるまるとしたシルエットが愛らしいですね。
この仔犬は、カフェや茶室での限定メニューのモチーフにも使われています。
中村芳中 『光琳画譜』より「仔犬」 個人蔵
筆者のイチオシは「蝦蟇鉄拐図(がまてっかいず)」。
踊っているかのように楽し気な蝦蟇仙人と、まるでおもちのようにもちもちの白いカエルがたまらなく可愛い!
このカエルを触ってみたい…
中村芳中「蝦蟇鉄拐図」個人蔵
会場内にはほかにも”かわいい”作品がたくさん!
是非、あなたも芳中の”かわいい”を見つけに来てください!