「蘭島閣美術館コレクション 京の日本画家が描いた情景」注目作品②

「蘭島閣美術館コレクション 京の日本画家が描いた情景」注目作品②

日本の近現代絵画や地元ゆかりの作家の作品を数多く収集する蘭島閣美術館(広島県呉市下蒲刈)のコレクションより、京都を拠点に活動した作家の作品を紹介する展示
蘭島閣美術館コレクション 京の日本画家が描く情景」を堂本印象美術館で9月30日まで開催中。
普段、京都で目にすることが少ない作品の数々を見ることができ、多くの来館者からも好評をいただいております。

本特集では同館学芸員の山田由希代さんより頂いたコメントと共に、出品作の一部を紹介します。
 




溌剌とした二人の舞妓の姿が艶やかに描かれています。下唇のみに少しだけ紅をさすのは、まだ一年未満の初々しい様子を示すお化粧法とされています。それぞれ桃色系と青色系の着物に文様が華やかに施され、凛とした明るい女性美が描き出されています。作者の三輪良平は、裸婦や舞妓、大原女などを題材に清麗な女性美を描き続けて活躍しました。

 

白を基調とした繊細な画面には、まだ青いリンゴの実をつけた枝葉が描かれています。克明な写実に基づきながらも、画面全体には淡麗な風情が漂います。本作品は、長野県飯田市大瀬木あたりのリンゴ園で取材して描かれました。作者の竹内浩一は山口華楊に師事し、現在も独自の花鳥画の世界を展開し続けています。
 



本展では今回紹介した作品も含め、計26名の作家の32作品を展示中。

是非、堂本印象美術館へお越しください。