『改組 新 第7回日展京都展』特選受賞作品紹介

『改組 新 第7回日展京都展』特選受賞作品紹介

【特選作品】

◆特選6点をご紹介いたします◆


 髙井弘明《黄昏の緋色》日本画

【受賞理由】

全面に渡る緋色が緊張感を与える。船の残骸と集まる海鳥の対比、太陽と光の一線が世の中の不安と安心感の同居を生み、それらを被い隠す様に曲線と海鳥達の群が心地良いリズムを創り美しさが生まれたと思う。


 谷野剛史《朝》日本画

【受賞理由】

爽やかな中間色トーンで朝の食卓が心地よく構成された作品である。寒色に囲まれた暖色のテーブルにデフォルメされた器が縦位置に静かに配置され動線となり、家族を感じる美しい世界になっている。

 


辻野宗一《誘境に》日本画

【受賞理由】

筆跡と色彩の織り成すリズムが心地よく色感の素晴らしさが見て取れる。写生からくる情感と感性が絵肌に溢れ、山間に誘われる空気感が広がっている。静けさと優しさとその奥に感じる作家本人の心の真想が伺われる。
 

 志萱州朗《東雲の湖》彫刻

【受賞理由】

人体の構成が造形的にしっかりできていて、とても伸びやかで、心地好い風を感じさせる。
故郷を愛し、現代を生きる若き女性の一瞬の動きの美しさが見事に表現された魅力的な作品である。

 

 近藤卓浪《okura rockets》工芸美術

【受賞理由】

畑の中でオクラが天に向かって育っています。あたかもロケットが天に向かって発射していくのではないかと創意を膨らませます。オクラが自然の中で飛び回り遊ぶ様子は夢空間そのもので、ローケツ染による表現の秀作です。

 

 中村史朗《杜少陵詩》書

【受賞理由】

懐素や除渭の狂草風の作品を根底においた行草作品で、行書を要所に配置して確かな骨格と強靭な線を意識して構成している。後半に繰り広げる心情の高揚感と気の充実が見事で、横作品の流動美を表現した秀作である。

ぜひ会場で受賞作品をご覧になってください。