【明治150年展 明治の日本画と工芸 作品紹介①】都路華香「水底游魚」

【明治150年展 明治の日本画と工芸 作品紹介①】都路華香「水底游魚」

明治時代に入ると、政府は殖産興業や輸出振興政策を推進。ウィーン万国博覧会へ明治政府が正式参加したこともあって海外で日本美術の評価が高まり、それを受けて政府は国家戦略として工芸品の輸出に力を注ぎました。一方京都では、地場産業の振興を目的の一つとして京都府画学校が設立されるとともに、多くの日本画家が工芸図案制作に携わりました。
本展では、近代化していく社会の中で生み出された明治の美術品を展示しています。


今回は出品作品のうち、前期展示の都路華香の「水底游魚」をご紹介します。

水中を悠々と泳ぐ魚の様子を描いた、日本画家・都路華香の作品です。
水の中のやわらかな光や、鯉が泳ぐ軌跡をスローモーションでとらえたかのような表現が魅力的です。
他にも鯛やエイ、フグなどさまざまな魚が描かれています。
六曲一双の大きな屏風作品で、目の前に立つとまるで自分も水の中にいるような感覚を味わえますので、ぜひ実物をご覧になってくださいね。

※本作品は4月22日までの展示です