【イベントレポート】特別企画「京ことばで楽しむ源氏物語図屛風」

【イベントレポート】特別企画「京ことばで楽しむ源氏物語図屛風」

~特別企画「京ことばで楽しむ源氏物語図屛風」~

厳選された住友コレクションのやまと絵を展示中の企画展「歌と物語の絵 -雅やかなやまと絵の世界」。
2023年7月3日に女房語り・山下智子さんをお招きして、展示作品の一つである源氏物語図屛風に関連し、京ことばで源氏物語をたのしむ企画を開催されました。
その様子をお届けします。



《源氏物語図屛風》江戸・17世紀

今回の展覧会では、古来から詠み継がれる歌枕や歌仙を描いた「うたうたう絵」と、語り継がれてきた物語を描いた「ものかたる絵」の2つのテーマで作品を展示しています。
イベントは企画展示室で行われ、源氏物語図屛風を鑑賞しながら、語りを聞くという贅沢な時間となりました。


屛風の鑑賞のポイントも交えながら、各シーンの場面を朗読されました。

☆一部を抜粋してご紹介☆


源氏を拒む空蝉(碁を打つ赤い衣の女性)のもとへ忍びつつやってきた源氏(右上)。
本文に忠実であれば、仲を取り持つ小君(空蝉の弟:中央赤い衣)は空蝉の近くにはいないはずだが、あえて近くに描き、源氏のいる方を慮るように描かれている。
作品を理解したうえで、登場人物の関係性を分かりやすく描き、物語の魅力を深めている。


有名な若紫(中央の白い衣)を源氏が見出す場面。右上の若紫たちを覗く男性陣の表情、左側の女性陣の動きが見どころ。
左上の尼君が若紫の幼さを嘆く場面では、京ことばで読み上げられたことで尼君の悲壮な感情がより一層感じられる。

作品画像は《源氏物語図屛風》(右隻)部分

本展を担当した実方学芸部長は「物語文学は当初、音読して聞かせることが中心だったともいわれます。絵を見ながら、耳と目で楽しんでいただきたい。」と参加者へ挨拶されました。
ぜひ、展覧会にお越しいただき作品を様々な角度からお楽しみください。

 

語り手:山下 智子 氏
京都市生まれ。仲代達矢主宰 無名塾で学び、舞台、TVにて活動。2003年以降声の表現を中心に活動中。
「京ことば訳源氏物語」の女房語りを通し、美しい京ことばを後世に伝えるべく連続語り会をはじめ各地で語りの会を開催している。公式HP:https://www.genji-kyokotoba.jp/
☆亀岡語り会 第4回 「夕顔」 2023年7月16日(日)14時~(会場:亀岡 大圓寺)☆参加申し込み受付中・詳細はこちらから☆
☆京都語り会 第43回【 夕霧 前編 】第三十九帖  2023年9月10日(日)14時~ (会場:平野の家 わざ永々棟) ☆参加申し込み・詳細はこちらから☆


「京ことば源氏物語」とは…?
国文学者 中井和子氏が源氏物語全五十四帖を今から100年ほど前の現代京ことばに訳したもの。(大修館書店・出版)

☆展覧会の詳細はこちらをクリック☆