泉屋博古館にて10月28日(土)~12月3日(日)まで好評開催中の「木島櫻谷―近代動物画の冒険」。
今回、11月11日(土)に行われたワークショップは京都市立芸術大学教授の宇野茂男氏を講師にむかえ、「櫻谷の描き方を追体験しよう」をテーマに、開催しました。
ワークショップは《和楽》明治42年 京都市美術館(展示期間:11月9日(木)~11月21日(火))の左隻中央に描かれている犬を描き、櫻谷のすごさを体験しようという内容でした。
<プログラム>
①筆になれる(ウォーミングアップ)
②運筆法=附立(つけたて)で描く!練習!
③和紙に慣れる
④墨による濃淡や彩色をする
⑤本番!
まずは、櫻谷の描画の特徴を宇野先生が説明。「櫻谷の描き方の特徴は、筆による線の抑揚を使って形を描いていく「附立法」。輪郭線を用いずに墨の濃淡だけで、物の形を表現する技法で、没骨法(もっこつほう)とも言います。そして、筆の勢いを活かした自由奔放な表現の2点が挙げられます」と解説されました。
続いて描くポイントを宇野先生から参加者の皆さんに伝授し、いよいよ《和楽》の犬を描くために必要な線を練習!先生のデモンストレーションに続くようにどんどん描いていきます。
<描くポイント>
①姿勢良く、背筋を伸ばすこと
②左手は机の上に置き、体を支える
③手首ではなく肘を動かすこと。小手先で描くのではなく体全体で描く
④手や指の力を抜き、筆に指を添えるぐらいにする
⑤筆を立てる
⑥穂先が線の中心を通るようにする
線の練習の次は、犬が描かれた先生のお手本の上に和紙をのせて、なぞるように描いていきます。先ほどまで練習していた線が犬のどの部分にあたるのか確認しながら繰り返し練習! 練習! その次に、墨による濃淡や、胡粉の塗りを学んでいきます。
宇野先生やゼミの学生さんたちが各テーブルを回り、丁寧に指導していきます。
ひととおり、描き終えたらいよいよ本番です!!
皆さんの作品を一部紹介!どの作品も愛らしい犬の表情や毛並みが表現されていて素敵です。
「櫻谷さんのすごいところは、誰もが使うことができる、墨と筆を用いて、人を魅了する作品を描いていることです。プロの料理人に例えるならば、みなさんが知っている食材でも、工夫で美味しい料理を作ることでしょう。」と宇野先生。
まさに《和楽》の犬を描くことに挑戦することで櫻谷さんの描き方を“追体験”できるワークショップでした。参加者の皆さんからは「目を描くのが難しかったけれど、楽しかった!」「墨って誰もが親しんでいるものなのにこんなに扱うことが難しいんですね!」「犬の短い毛を表現するのに苦戦しましたが、親切に教えていただけて完成させられました!」など達成感と作品の完成した喜びの声をいただきました。
次回は、展覧会図録を含むオリジナルグッズをご紹介いたします!お楽しみに!