「サンタフェ リー・ダークスコレクション 浮世絵最強列伝」が開催中の相国寺承天閣美術館において、アダチ版画研究所(東京都)の協力のもと、浮世絵版画の摺り実演会が行われました。
今回、協力をいただいたのはアダチ版画研究所(東京都)。浮世絵制作の技術を継承し、伝統的な木版制作を続けています。
実際に摺っていただくのは、葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」天保2年(1831)頃 です。出品作でもあり、見られたことのある方も多い作品です。
数種類の版木を使いながら、摺り師により力強く摺られると和紙にみるみる色がつき、コントラストを表現する技術などを見て、参加者からは驚きの声があがっていました。
工程の説明や道具の説明もあり、参加者からも積極的に質問や意見があがっていました。
今回参加された京都造形芸術大学で日本画を学ぶ学生は、「実際の摺りの工程や道具を見てから作品を見ると、より理解が深まりました。北斎の青がきれいで、似ているようで他の作家とは違う。今後の作品作りの参考にしたいです」と語っていました。