現在もフィンランドで活躍するテキスタイルデザイナー・陶芸家の石本藤雄さんの作品と、江戸時代に生まれ京都の地で育まれてきた琳派の作品とのコラボレーションを実現させた「石本藤雄展 マリメッコの花から陶の実へ―琳派との対話―」。
作品同士の対話が楽しめるような工夫が凝らされた展示空間が本展の魅力の一つ。
そんな本展の展示風景の一部をご紹介します。
【第1展示室】
まず最初の第1展示室に足を踏み入れると、色とりどりの石本ファブリックの円柱が出迎えます。
吊り下げられた円柱の間を縫って進む様子は、幻想的な森の中を歩いているかのようです。
展示ケース内は円柱と琳派のお軸が並びます。
デフォルメされた朝顔が愛らしい、中村芳中《朝顔図》と並ぶのは石本さんの《スヴィスヌンタイ(Suvisunnuntai/夏の日曜日)》。
両作とも爽やかなブルーが印象的です。
本阿弥光悦 書/俵屋宗達 下絵《月梅下絵和歌書扇面》と石本さんの《コレクション「シュダンダルヴィ(Sydäntalvi/真冬)」:ウオマ(Uoma/河床)》は、黒と金が織りなすイメージのシンクロ具合にびっくり。
石本さんがこの作品からイメージして作ったの?と思うかもしれませんが、全くの偶然とのこと。
「あえて日本的なものを意識していたつもりはなかったけれど、琳派とも共通する日本人としての美意識や表現の仕方が根付いていたんだな、と並べてみたことで気づきました」と石本さん。
続く第2展示室は明日更新です。