【ことしるべおでかけクラブ スタッフおススメスポットvol. 122】京都シネマSTAFFの今月のオススメ『ガールフレンド』

【ことしるべおでかけクラブ スタッフおススメスポットvol. 122】京都シネマSTAFFの今月のオススメ『ガールフレンド』

「京都シネマSTAFFの今月のオススメ」では、京都シネマで公開される毎月の上映作の中から、
京都シネマスタッフによる一押し作品をご紹介します。
2月のオススメ作品はこちら!

ガールフレンド

競争、嫉妬、憧れ、信頼…。女性の複雑な友情を描いた「女ともだち」映画の傑作!

知名度が低い映画や小規模な作品が、その内容のすばらしさにも関わらず、なかなか上映されない状況を打開したい。
そんな思いから、自主上映や配給に取り組むGucchi’s Free Schoolと京都シネマが、上映イベント〈きょうとシネマクラブ〉を始めました!
規模や知名度、新作、旧作にこだわらずに、いまこそ見たい映画作品を上映します。
2月にはそのイベントの第三作品目となる『ガールフレンド』を上映します。
1978年に撮られたあと、スタンリー・キューブリックが絶賛し、「女性」映画監督として第一線で活躍するグレタ・ガーウィグの作品にも影響が見つかるような、伝説の「女ともだち」映画です。

駆け出しのカメラマンであるスーザンは、ポートレイトやウェディング写真の仕事で生計を立てながら、プロとしての道を模索しています。
親友でルームメイトのアンも同じく夢を追い、詩人を志しています。
ある日、スーザンの仕事がうまくいき始めたところ、アンは恋人との結婚を決心したことを打ち明けられたスーザンは、祝福の言葉をかけものの、動揺を隠せないで…。

いまだに「女性」監督と名指されることが必要な社会で、「女性」監督によってつくられた「女性の友情」ものは、40年を経てもまったく色褪せません。
いまもなお新しさをまとっていることに驚いてしまうほど。女性間の野心と友情の親密な描写は、変わらずに痛烈に現代社会をまなざす力を持っています。
その影響は、グレタ・ガーウィグの『フランシス・ハ』でソフィーとフランシスが共有するタバコと遊びと笑い、『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』で、はちきれそうになりながら吐露される「たまらなく寂しい」というときのジョーの気持ち、シリーズ『Girls/ガールズ』でときに嫌気がさしながらもつかず離れずそばにいたハンナとマーニーの複雑な友情…。
それらに『ガールフレンド』のスーザンとアニー、そしてクローディア・ウェイル監督がまいた種が芽吹いた瞬間を見ることができるはずです。
惜しくも、『ガールフレンド』の次作である『イッツ・マイ・ターン』を監督した際にうけたセクハラによって、ハリウッドを去らざるを得なかった彼女の作品を、いまここで上映できることが心からうれしい。
スーザンとアニーは、「結婚」によって、変化を強いられます。
そして、かつてほんとうに大切だった関係が、離れていったり、変化したりすることは、簡単に受け入れることはいつだって難しいもの。
そんな変化を強いられる友情についての解決策は、ないのかもしれません。
けれど、そんなどうしようもない状況に、この映画自体は寄り添ってくれる宝物のような映画であると同時に、男性優位な社会によって生まれる「抑圧」というものにも向き合わせてくれる作品です。


執筆:川添結生氏(京都シネマ)



2/9(金)公開
『ガールフレンド』 

(原題) Girlfriends  1978年/米/88分
監督:クローディア・ウェイル
出演:メラニー・メイロン、アニタ・スキナー、イーライ・ウォラック、クリストファー・ゲスト
料金:1500円均一
Girlfriends © 1978 WBEI


【上映スケジュール】
2月9₋11日、13₋15日:14時15分~、18時40分~
2月12日:14時15分~
※2月15日上映終了
詳細は京都シネマの公式ホームページにてご確認下さい


京都シネマは、四条烏丸にある複合商業施設「COCON烏丸」の3階にあるミニシアターです。
日本をはじめ欧米、アジアなど世界各国の良質な映画を3スクリーンで上映しています。

問い合わせ:075-353-4723