• トップ
  • 特集一覧
  • ことしるべおでかけクラブ
  • 【ことしるべおでかけクラブ スタッフおススメスポットvol. 63】京都シネマSTAFFの今月のオススメ「ルイス・ブニュエル監督特集 デジタル・リマスター版 男と女」
【ことしるべおでかけクラブ スタッフおススメスポットvol. 63】京都シネマSTAFFの今月のオススメ「ルイス・ブニュエル監督特集 デジタル・リマスター版 男と女」

【ことしるべおでかけクラブ スタッフおススメスポットvol. 63】京都シネマSTAFFの今月のオススメ「ルイス・ブニュエル監督特集 デジタル・リマスター版 男と女」

「京都シネマSTAFFの今月のオススメ」では、京都シネマで公開される毎月の上映作の中から、
京都シネマスタッフによる一押し作品をご紹介します。
2月のオススメ作品はこちら!

 ルイス・ブニュエル監督特集 デジタル・リマスター版 男と女

条理と不条理、不思議な連続と不連続!ルイス・ブニュエルの晩年6作を上映。

20代でシュルレアリスム運動に出会い、サルバドール・ダリとの脚本共作で16分の短編映画『アンダルシアの犬』(28)を監督しデビューしたスペインの映画監督、ルイス・ブニュエル。
ウディ・アレン監督の人気作『ミッドナイト・イン・パリ』で、ダリとマン・レイ、ブニュエルのちぐはぐな会話が展開されている様子はいつ見ても笑ってしまいます。
常にシニカルさと歪なユーモアがいっぱいで、かつ、その作品の風刺性によって、幾度となく上映禁止に追い込まれながらも映画祭などでは高く評価された異例の映画監督です。
今回の特集では、ブニュエルのキャリアのなかでも最も充実していたフランス時代の6作品を上映。

田舎屋敷にパリからやってきた魅力的な女が小間使いとして雇われる『小間使の日記』。
ジャンヌ・モローを主演に迎え、ブルジョワ風刺と社会批評への辛辣度はいつもにまして高いように感じます。
その後、1967年に製作され、ヒッチコックが賞賛したことでも知られる『昼顔』。
京都シネマでも以前上映し、人気が高かった一作です。
J・ケッセルの同名小説を映画化したもので、こっそりと淫らな夢想にふける貞淑な若妻セヴリーヌの欲望と自己発見の物語。
一見ありがちな昼ドラがブニュエルの手にかかると、深層心理をさらけ出しながらも、それがシュールなギャグになってしまうのかと感嘆してしまいます。

『昼顔』につづき、カトリーヌ・ドヌーヴ主演に製作された『哀しみのトリスターナ』。
スペイン時代に上映禁止処分を受けた『ビリディアナ』とも重なる、老いた男と若い娘の関係を通じてスペイン社会が風刺されています。
特権的な地位とそれに由来する高慢さ、偽善、腐敗が暴露されるユーモラスな不条理風刺喜劇『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』。

ジャン=クロード・ブリアリやモニカ・ヴィッティが出演する『自由の幻想』は、なんら関係のない夢の連なりを観ているような「反物語映画」で、エロティックな倒錯臭は典型的なブニュエル世界!
最後はブニュエルの遺作でもある『欲望のあいまいな対象』。
『ブルジョワジー~』が食事のお預けを食らい続けたように、愛する女の肉体のお預けを食らい続ける中年男の物語で、ブニュエル映画の最後を締めくくるにふさわしい一作となったのではと思っています。

既成概念を打ち壊し、過激なユーモアと濃密なエロチシズムに彩られた男と女の不条理極まりない関係の物語群。
ブニュエルの映画は、まるで夢を見ているような感覚になります。
悪夢のようでいて、愉快、不可思議でいて、不可思議でない。
不思議な意地悪に満ちた世界を面白おかしく描き出し、私たちの世界を一変させてくれます。
ぜひ不可思議なブニュエルの世界に触れてください!

執筆:川添結生氏(京都シネマ)



2/25(金)公開
ルイス・ブニュエル監督特集 デジタル・リマスター版 男と女
※全6作品を日替わり上映

『小間使の日記』(原題)Le Journal d'Une Femme de Chambre
1964/仏、伊/97分
監督:ルイス・ブニュエル
出演:ジャンヌ・モロー、ミシェル・ピコリ、ジョルジュ・ジェレ、フランソワーズ・リュガーニュ
© 1964 STUDIOCANAL FILMS Ltd

『昼顔』(原題) Belle de Jour
1967/仏、伊/100分
監督・ルイス・ブニュエル
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジャン・ソレル、ジュヌヴィエ―ヴ・バージュ、ミシェル・ピコリ
© 1967 STUDIOCANAL IMAGE. All Rights reserved.

『哀しみのトリスターナ』 (原題)Tristana
1970/西、他/99分
監督:ルイス・ブニュエル
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、フランコ・ネロ、フェルナンド・レイ、ロラ・ガオス、アントニオ・カサス
© 1970 STUDIOCANAL. ALL RIGHTS RESERVED.

『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』 (原題)Le Charme Discret de la Bourgeoisie
1972/仏、他/102分
監督:ルイス・ブニュエル
出演:フェルナド・レイ、デルフィーヌ・セイリグ、ステファーヌ・オードラン、ジャン=ピエール・カッセル、ポール・フランクール、ミシェル・ピコリ
© 1972 STUDIOCANAL. ALL RIGHTS RESERVED.

『自由の幻想』(原題) Le Fantôme de la Liberté
1974/仏、伊/104分
監督:ルイス・ブニュエル
出演:ジャン=クロード・ブリアリ、モニカ・ヴィッティ、ミシェル・ピコリ、ジャン・ロシュフォール、パスカル・オードレ 
© 1974 STUDIOCANAL FILMS Ltd

『欲望のあいまいな対象』(原題) Cet Obscur Objet du Désir
1977/仏/103分
監督:ルイス・ブニュエル
出演:フェルナンド・レイ、キャロル・ブーケ、アンヘラ・モリーナ、ジュリアン・ベルトー、アンドレ・ウェバー 
© 1977 STUDIOCANAL FILMS Ltd

※上映スケジュールは京都シネマHPをご確認ください


京都シネマは、四条烏丸にある複合商業施設「COCON烏丸」の3階にあるミニシアターです。
日本をはじめ欧米、アジアなど世界各国の良質な映画を3スクリーンで上映しています。
問い合わせ:075-353-4723