【ことしるべおでかけクラブ スタッフおススメスポットvol. 42】京都シネマSTAFFの今月のオススメ「SUKITA 刻まれたアーティストの一瞬」

【ことしるべおでかけクラブ スタッフおススメスポットvol. 42】京都シネマSTAFFの今月のオススメ「SUKITA 刻まれたアーティストの一瞬」

「京都シネマSTAFFの今月のオススメ」では、京都シネマで公開される毎月の上映作の中から、
京都シネマスタッフによる一押し作品をご紹介します。
4月のオススメ作品はこちら!


デヴィッド・ボウイに“マスター”と呼ばれた男の実像に迫る。

稀代のスターとして死後も愛されつづけるデヴィッド・ボウイは、2016年に亡くなる3か月前にある言葉を遺しています。
「SUKITAは、まったく献身的で素晴らしいアーティストである。私は彼を巨匠(マスター)と呼ぶ」と。
世界のSUKITAこと、鋤田正義です。そんな鋤田の偉大な仕事の数々を知ることのできるドキュメンタリー『SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬』を京都シネマで再上映します。

鋤田の名前を知らない方でも、デヴィッド・ボウイ『Heroes』のモノクロのジャケット写真や、T・レックスのフロントマンであるマーク・ボランを撮った1枚、あるいは、ジム・ジャームッシュの『ミステリー・トレイン』や是枝裕和監督の『ワンダフル・ライフ』のスチール写真。
きっと、どこかで見かけたことのある写真があるはずです。
それらの写真たちは、アーティストたちの一瞬を永遠に刻み込み、一度見たら忘れることのできない強烈なエネルギーを放ち続けています。
1970年代、日本人が海外で活躍することがまだ稀だった時代に、鋤田は海を越え、のちに有名となる人々と交流をはじめます。
そこには、マーク・ボラン、デヴィッド・ボウイのほか、イギー・ポップなどなど。
本作では、現在でもなお精力的に写真と向き合い続ける鋤田の姿とともに、錚々たる面子の人々が鋤田の仕事に対する愛や思い出話を語っていきます。

映画をみていると、こんな人まで!という方がたくさん登場し、驚くばかり。
しかし、一番驚くのは、鋤田の姿そのものです。
80歳を超えても、まるで少年のようなエネルギーでカメラのファインダーをのぞきこみます。
かつていっしょに仕事をしたことのある元YMOの細野晴臣はインタビューのなかで鋤田のことを「刀を持たないお侍さん」と形容するのですが、自分の武器を相手によって柔軟に変化させ、いつのまにか相手の懐に潜り込んでいる、彼の仕事ぶりにぴったりの言葉だと思いました。
そして、いつでも変化を恐れず、新しいものとの出会いを自分自身から進んで受け入れ、順応していく姿は、人の在り方としてもとても魅力的です。

「えき」美術館KYOTOでは、4/3(土)より鋤田正義の写真展を開催中。
デヴィッド・ボウイが亡くなって5年。1980年に来日したデヴィッド・ボウイが京都に滞在した1日を撮影した鋤田の作品と、新しく現在の京都を撮り下ろした作品を展示しています。
展示のあとに映画でも、映画の後に展示でも!鋤田正義の写真とその魅力をぜひ掘り下げてほしいです。

 

執筆:川添結生氏(京都シネマ)



「SUKITA 刻まれたアーティストの一瞬」
4/23(金)公開 2018/日/115分
監督:相原裕美
出演:鋤田正義、布袋寅泰、ジム・ジャームッシュ、永瀬正敏、リリー・フランキー、ポール・スミス、細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏、MIYAVI、是枝裕和
©2018「SUKITA」パートナーズ
公式HP:http://sukita-movie.com/index.php

【上映スケジュール】
4/23~4/29  15:55~ ※一週間限定上映

 


【関連展示】


時間~TIME BOWIE×KYOTO×SUKITA 鋤田正義写真展

会期: 2021年4月3日(土)~2021年5月5日(水) 午前10時から午後7時30分 (入館は閉館30分前まで)
   ※百貨店の営業時間に準じ変更の場合あり
会場: 美術館「えき」KYOTO(JR京都駅すぐ・ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)
料金:一般…900(700)円、高・大学生…700(500)円、小・中学生…500(300)円

★展覧会詳細はこちら★


京都シネマは、四条烏丸にある複合商業施設「COCON烏丸」の3階にあるミニシアターです。
日本をはじめ欧米、アジアなど世界各国の良質な映画を3スクリーンで上映しています。
問い合わせ:075-353-4723
HP:https://www.kyotocinema.jp/