【ことしるべおでかけクラブ スタッフおススメスポットvol. 25】京都シネマSTAFFの今月のオススメ「恐竜が教えてくれたこと」

【ことしるべおでかけクラブ スタッフおススメスポットvol. 25】京都シネマSTAFFの今月のオススメ「恐竜が教えてくれたこと」

「京都シネマSTAFFの今月のオススメ」では、京都シネマで公開される毎月の上映作の中から、
京都シネマスタッフによる一押し作品をご紹介します。
4月のオススメ作品はこちら!

恐竜が教えてくれたこと

淡い恋心や家族との関係、人生という複雑さに触れた少年の眩しい夏の7日間。

少年少女を描いた名作は数多く、『スタンド・バイ・ミー』や『ネバーエンディング・ストーリー』、『ムーンライズ・キングダム』など挙げはじめたら切りがありません。
子どものために、そして子どもについて書かれた優れた物語たちは、かつて子どもだったわたしたちにいつだって感動を与えてくれるのです。
今回紹介するのは『恐竜が教えてくれたこと』。
バラエティ誌の<2019年に観るべきヨーロッパの監督10人>に選出されたステフェン・ワウテルロウト監督が、アンナ・ウォルツの児童文学の名著「ぼくとテスの秘密の七日間」を映画化し、現実と空想の狭間を行き来する少年の姿を繊細なタッチで描き出しました。

主人公は、11歳の男の子サム。
思春期を目の前にして、この世のすべての生き物がいつか死を迎えることに気づき、死について、孤独について頭を悩ませています。
両親と兄のヨーレとともに、夏のバカンスで、オランダの避暑地テルスヘリング島に来ていますが、家族のなかで最後に死ぬのはきっと一番若い自分のはず、という理由から、“ひとりぼっちの時間”に慣れるためのトレーニングを行う少し風変りな少年です。
そんな中、ちょっと不思議な魅力をもつ少女テスと友だちになります。
彼女はまばゆいほど快活さと予測不可能な言動でサムを振り回していきます。
次第に彼女のことが気になりはじめたサムに、テスはある秘密を打ち明け、作戦に協力してほしいというのですが…。

初めての恋は、とても恥ずかしく身をよじりたくなるような経験です。
だって、自分があまりにも馬鹿な言動をしてしまったり、思い出したくないような考えをしてしまうから。
でも、はじめての恋というのは、未知の宇宙人のような他者に対して精いっぱい想像力を働かして、その人の喜ぶことをしよう、悲しい顔をしているのはどうしてなんだろうと頭を抱え、ゆっくりと歩み寄っていくはじめての行為と言えるでしょう。
いずれはいなくなってしまうと知りながらも、人が人と一緒に生きていくのはなぜなのか。独りになることでそのことについて学んでいくサムのマジカルな夏のひとときはとても素晴らしいものです。
春の陽気に包まれて、目の前にせまる夏が待ち遠しくなること間違いなしの良作をぜひ映画館で。

 

執筆:川添結生氏(京都シネマ)



恐竜が教えてくれたこと
(原題)My Extraordinary Summer with Tess
2019/オランダ/84分
監督:ステフェン・ワウテルロウト
出演:ソンニ・ファンウッテレン、ヨセフィーン・アレンセン
©2019 BIND & Willink B.V./Ostlicht Filmproduktion GmbH
公式HP:http://kyoryu.ayapro.ne.jp/

【上映スケジュール】
4月18日~24日 14:05~、16:40~ 
4月25日~5月1日 12:10~、18:25~ 
5月2日~ 時間未定 5月8日まで上映予定

※詳細は京都シネマHPでご確認ください


京都シネマは、四条烏丸にある複合商業施設「COCON烏丸」の3階にあるミニシアターです。
日本をはじめ欧米、アジアなど世界各国の良質な映画を3スクリーンで上映しています。
問い合わせ:075-353-4723
HP:https://www.kyotocinema.jp/