「京都シネマSTAFFの今月のオススメ」では、京都シネマで公開される毎月の上映作の中から、
京都シネマスタッフによる一押し作品をご紹介します。
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だれもが愛しいチャンピオン
迷走中のプロ・バスケットコーチとハンディキャップ・チームとの絆を描く。
2018年のスペインにおいて国内映画の興行収入1位となった大ヒット映画である『だれもが愛しいチャンピン』は、ハンディキャップを抱えたバスケットボール選手たちと、絶不調のプロ・バスケットボールコーチの物語です。
プロ・バスケットボールコーチのマルコは、負けることが大嫌いなアラフォー男性。
ある日、短気な性格が災いし、チームを解雇されるところから、この物語は始まります。
そのうえ、飲酒運転事故を起こして免停、妻とは別居中の身。まさに泣きっ面にハチ。
そんな絶不調の彼は、刑期免除のための社会奉仕活動で、知的障がい者のためのバスケットボール・チームでコーチを務めることになります。
乗り気でない彼も、しぶしぶやらざるを得ない状況というなか、バスケットボール・チーム“アミーゴス”のメンバー10人は、個性派ぞろいで、それぞれがあんまりにも自由に行動をするので、マルコは戸惑い、翻弄されては頭を抱えます。
そして、ときには投げ出そうとしてしまいます。
しかし、そんなマルコを引き留めるのは、“知的障がい者”という社会の決めたカテゴリーで括っていて見えていなかったメンバーたちのありのままの姿です。
それぞれに得意なことと苦手なことがあるというあたりまえのことに気づき始めます。
勝利に取りつかれた愚かな男が忘れかけていた原点や愛といったものたちを取り戻すきっかけとなるのは、未知なるもの“アミーゴス”との出会いなのです。
この映画では、障がいのある人々の日常が、魅力的に描かれます。
他人にはとても誠実で、自然。まさに多様性を体現したアミーゴスのアンサンブルには、予測不可能な笑いと驚きがあふれてかえり、愛おしさが爆発します。
そこには、湿っぽさも重たさもありません。
とびきりの笑いがあふれ出す人間模様が、爽快に描き出されていきます。
そして、彼らの幸せを願わずにはいられないほど、感情移入し、共感を呼び起こしていく。
手に汗握るクライマックスの試合シーンをみると、だれもが口にする“幸せ”という言葉を考えなおしたくなるはずです。
執筆:川添結生氏(京都シネマ)
だれもが愛しいチャンピン
(原題) Campeones
2018/西/118分
監督:ハビエル・フェセル
出演:ハビエル・グティエレス、フアン・マルガージョ、アテネア・マタ
©Rey de Babia AIE, Peliculas Pendelton SA, Morena Films SL, Telefonica Audiovisual Digital SLU, RTVE
公式HP:http://synca.jp/champions/
【上映スケジュール】
1月4日~10日 12:05~、16:15~
1月11日~17日 14:20~、18:25~
1月18日~24日 16:40~
※詳細は京都シネマHPでご確認ください
京都シネマは、四条烏丸にある複合商業施設「COCON烏丸」の3階にあるミニシアターです。
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