国宝 密庵咸傑墨蹟 (みったんかんけつぼくせき)※墨蹟とは禅宗高僧の筆跡を指す
密庵咸傑墨蹟 璋禅人宛法語
南宋時代 淳煕6 年(1179)
3/21〜4/7 展⽰
中国・宋代の禅僧、密庵咸傑(1118-86)は南宋時代の大宗師で、日本に伝存する中国禅僧墨蹟の中で、最も名高い墨蹟の内の一幅と言われています。
本墨蹟は、禅の要旨を示したもので、修行する上での心得を説き「長く修行を続けることができれば、夢にさえ見たことのない素晴らしい境涯が開ける」と記されており、修行者全般に向けられた内容は、臨済宗において絶大な価値を持つといえます。
禅林、千利休などの茶人に崇敬され、利休は表具に関する手紙を寄せています。(※1)
龍光院にはこの墨蹟のみを掛けるための床「密庵床(みったんどこ)」があり、龍光院茶席として有名な国宝「密庵席(みったんせき)」はここから名付けられたものです。
国宝密庵席(茶室内部)と国宝 密庵咸傑墨蹟
注目すべきは、その表具を利休が作ったということです。
本墨蹟に付属する書状「千利休書状 瓢庵(山上宗二)宛密庵咸傑墨蹟附属(※1)」(~4/29展示)に、雨天の中急いで調えられたようで「歪んだらならば直す」と利休が述べています。
ぜひ密庵咸傑墨蹟とあわせてご覧ください。
「国宝 密庵咸傑墨蹟」の展示は4月7日(日)までです。お見逃しなく!!