酒も飯もほどほどに!仲成の主張

酒も飯もほどほどに!仲成の主張

ほどよい膳椀にほどよい盃。仲成の屋敷での食事風景が描かれています。
酒も飯もほどほどが良い、とする仲成の主張を良く表したワンシーンです。


部屋の向こうの厨房では、鍋が煮え、味見をする様子や、鳥や魚がまな板に載せられ今まさに捌かれようとしている様子などが描かれています。
その中にはこれまでの段で見られたような、酒に酔った人物や、大きな飯器など、誇張された表現は見られません。

 

では仲成の主張を聞いてみましょう!

上戸の人たちのことを卑しいと云う一方、大食漢のことを見苦しいと批判します。

気配りし過ぎるのも苦しいし、気おくれするのもどうかと思う―――
また日照りが続けば人々は疲弊し、余分に降っても水が出て田畑を損ねることになる―――
食事に関わることだけではなく、世のすべてのことにおいて、「中」ぐらいが良いのだと説きます。
 



さて、これまで、長持、好飯、仲成、3人の主張をそれぞれ聞いてきました。
それぞれ個性的な主張でしたが、皆さんは誰の主張に最も共感されましたか?
 

表情豊かな登場人物がユーモラスに描かれている「酒飯論絵巻」。
宗教間対立など制作背景はさまざま指摘されていますが、
500年前の人々が食事やお酒を楽しんでいた様子を、
お気軽にこの機会にぜひご覧ください!!