金重陶陽 KANESHIGE Toyo
明治29年~昭和42年
1896-1967
備前焼で初めて人間国宝に選ばれた金重陶陽。
江戸時代から続く備前焼六姓のひとつ金重家の分家である窯元 金重楳陽(ばいよう)の長男として生まれた陶陽。父のもとで花鳥・動物などの細工物の制作を始め、若くしてその才能を発揮し、備前を代表する「でこ師(細工師)」となりました。
金重陶陽 青備前諫鼓鳥香炉
1938 h24.1
繊細で緻密な羽毛の毛描きが見どころの本作。
あまり知られていませんが、備前では一時期、器や壺などより、細工物(さいくもの)をメインで作っていた時代がありました。
その後、古備前に魅せられた陶陽は、その継承と研究に全力で傾注し、桃山風備前の復興に尽力しました。
金重陶陽 緋襷茶盌
c1956-57
h9.3 w12.4 d12.1
備前において茶碗は伝世品が少なく、陶陽は自ら表千家において茶道の修業をし、多くの花入や水指、茶入とともに茶碗を手掛けました。
こうして戦後の備前焼隆盛の礎を築きながら、自身の作風を作り上げ、個人作家としての名を確立。1956年に国指定重要無形文化財「備前焼」の保持者に認定されました。
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