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【ことしるべ美術クラブ スタッフおすすめのアートスポットVol.336】細辻伊兵衛美術館 永樂屋創業410周年記念特別展『私は昔「モモタロウ」と云われてました』

永樂屋創業410周年記念特別展
私は昔「モモタロウ」と云われてました  

細辻伊兵衛美術館

2025年10月28日(火)~2026年1月28日(水)

 

永樂屋で昭和初期頃、年間百柄以上の手ぬぐいを制作していた「百(もも)いろ会」。
その中でも昭和7年(1932)に発表された『私は昔「桃太郎」と云われてました』は、とりわけ人気を集めた作品です。一見すると猫のようにも見えますが、実はモチーフは「犬」。足元には猿と雉、背には歌舞伎の隈取りを施した桃太郎を乗せた犬が大きく描かれています。縁起の良さとユーモアを併せ持つこのデザインは、時代を超えて多くの人々に親しまれてきました。
今展ではこの『モモタロウ』にまつわるデザインを中心に紹介します。

 
《私は昔「モモタロウ」と云われてました》

 

 

ニッポン画家・山本太郎氏も、この題材をもとに新たな作品を制作。原画やスケッチなど、制作過程の資料も併せて展示します。
また初代細辻伊兵衛と親交のあった大石内蔵助にちなむ「忠臣蔵」意匠の手ぬぐいや、昭和十年(1935)に制作された「京の年中行事シリーズ」も紹介します。

      
山本太郎《モモタロウ》令和7年(2025)制作   《由良之助》大正時代 制作

 


「百いろ会」の最高傑作とされる「京の年中行事シリーズ」は、画家・中島荘陽氏が十世細辻伊兵衛との親交をもとに制作したものです。京都の伝統的な年中行事を後世に伝えるべく描かれた貴重な12ヶ月の手ぬぐいを、屏風に仕立てています。下絵から糊置き、彩色、金彩に至るまで、二十を超える全ての工程において、それぞれの職人が技術を尽くして制作した手描き京友禅です。


京の年中行事

 

2階展示室では創業410周年を記念して永樂屋が新たに制作した手描き京友禅スカーフなどを初公開。
410 年の歴史と新たな創造が交差する特別展を、ぜひお楽しみください。

 


展覧会概要

会期 :2025年10月28日(火)~2026年1月28日(水)
開館時間:午前10時~19時(最終入館18時30分)
休館日 :会期中無休 ※臨時休館する場合があります。
入館料  :一般1,200円(手ぬぐいチケット付)、中高大1,100円(要学生証提示、手ぬぐいチケット付)、小学生300円(手ぬぐいチケット無)
     ※ミュージアムショップは入館料なしでご利用いただけます。
主催 :細辻伊兵衛美術館
後援 :京都府、京都市、京都市教育委員会、京都市観光協会、京都新聞、KBS京都
会場 :細辻伊兵衛美術館(https://hosotsuji-ihee-museum.com/
          住所 京都市中京区室町通三条上ル役行者町368(京都市営地下鉄「烏丸御池」駅4-1出口から徒歩3分)
          電話 075-256-0077
 ※駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。

【細辻伊兵衛美術館】

京都で 400 年以上の歴史を持つ木綿商・本家永楽屋。「細辻伊兵衛」は永楽屋代々の当主の名。当館は江戸・ 明治・大正・昭和・平成・令和の6時代にわたって、永楽屋が制作した手ぬぐいをコレクションに持つ美術館。古くから日本人に親しまれ、時代や文化を反映する貴重な資料でもある手ぬぐい。永楽屋や細辻家の歴史資料、当代 14 世細辻伊兵衛の作品もあわせてご覧いただけます。