オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト
圓教寺× 隈研吾 生き延びるためのデザインワーク:これからの用の美
令和6年度「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」第1弾として、書寫山圓教寺と姫路市立美術館の共催で「圓教寺× 隈研吾 生き延びるためのデザインワーク:これからの用の美」を開催。世界的建築家・隈研吾が圓教寺で新規制作のパビリオンを公開します。
【展示の見どころ】
三之堂前にパビリオン出現!現代を代表する建築家・隈研吾が、近代寺院建築の傑作である摩尼殿と室町時代の建築である三之堂にインスピレーションを受け、パビリオン《くぎくも》を公開します。書寫山圓教寺の摩尼殿は、今年1月に国の重要文化財に指定されました。摩尼殿を設計した武田五一は「関西建築界の父」と呼ばれ、近代建築だけでなく古社寺の修理保存にも関わりが深く、隈研吾に影響を与えた建築家でもあります。隈研吾は摩尼殿の懸造(かけづくり)について、「武田の本領である軽やかなものへの思考がたくさん発見できる」と語っています。さまざまな人の手によって守り受け継がれ、人々の生活や文化に溶け込んできた圓教寺の建築群と隈研吾の作品の融合が、新しい三之堂の景色を創出します。
パビリオン《くぎくも》イメージ
担当学芸員よりひとこと
〝《くぎくも》の名のとおりこの作品の主役は「くぎ」ですが、ただの釘ではありません。
姫路が誇る伝統技術の匠、第53代明珍家当主・明珍宗敬氏が製作した「和釘」です。
姫路城や圓教寺の建物にも用いられているものの、普段は目に触れることのない
「和釘」の魅力も感じ取ってもらえる作品です。”
オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト「圓教寺× 隈研吾 生き延びるためのデザインワーク:これからの用の美」 開催概要 HP ⇒ https://www.city.himeji.lg.jp/art/0000023687.html 書寫山圓教寺 三之堂 |
・・・さらに特報!!
「隈研吾流オノマトペで見る建築 姫路編」 9月21日(土)より姫路市立美術館にて、開催決定!
隈研吾が自身の建築作品をマケットや写真、素材で紹介しつつ、姫路城、書寫山圓教寺、姫路市立美術館という姫路の「三大建築」の魅力を「つんつん」、「ぱらぱら」といった「オノマトペ」を使って紐解きます。隈研吾流姫路建築マップの配布や、「休憩所づくり」のワークショップも開催予定。
今までにない姫路の建築の魅力を深堀りします。
お楽しみに!
「ぱらぱら」の参考事例(梼原 木橋ミュージアム, 2010, 高知 ©Takumi Ota)
姫路市立美術館のHPはコチラ ⇒ https://www.city.himeji.lg.jp/art/
隈 研吾 ©J.C.Carbonne
隈 研吾 アーティストプロフィール
1954年生まれ。東京大学大学院建築学専攻修了。東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。
1964年東京オリンピック時に見た丹下健三の代々木屋内競技場に衝撃を受け、幼少期より建築家を目指す。大学では、原広司、内田祥哉に師事し、大学院時代に、アフリカのサハラ砂漠を横断し、集落の調査を行い、集落の美と力にめざめる。コロンビア大学客員研究員を経て、1990年、隈研吾建築都市設計事務所を設立。これまで30ヵ国を超す国々で建築を設計し、日本建築学会賞、フィンランドより国際木の建築賞、イタリアより国際石の建築賞、他、国内外でさまざまな賞を受けている。
その土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案している。また、コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求を通じて、工業化社会の後の建築のあり方を追求している。