【ことしるべ美術クラブ スタッフおすすめのアートスポットVol.298】蘭花譜と大山崎山荘 ―大大阪時代を生きた男の情熱

加賀正太郎没後70年・ニッカウヰスキー90周年記念
蘭花譜と大山崎山荘
―大大阪時代を生きた男の情熱


アサヒグループ大山崎山荘美術館
2024年3月9日(土)-2024年5月12日(日)

 

2024年は、大山崎山荘を造った加賀正太郎(1888-1954)が66歳で没してから70年にあたります。彼は近世から近代にわたり経済の中心地として発展した船場(現在の大阪市中央区の一角)に生まれ、大大阪時代のただなかで活躍した実業家でした。その業績のひとつに、ニッカウヰスキーの前身である大日本果汁株式会社設立への貢献があげられますが、奇しくも本年はニッカウヰスキー創立から90年を迎える年でもあります。

本展では、加賀正太郎の足跡をたどるとともに、彼が後世に残した貴重な財産である大山崎山荘と『蘭花譜』を広く紹介します。『蘭花譜』(1946年発行)とは、加賀正太郎が自ら育てた蘭をモチーフに監修・制作した木版画83点カラー図版14点単色写真図版7点104点で構成される植物図譜です。なかでも木版画の美しい色彩や技法は、美術品としても高い評価を得ています。

若き実業家が大山崎の地に咲き誇らせた、蘭と文化の香りに思いをはせるとともに、大大阪と呼ばれた時代のダイナミズムを感じてください。





『蘭花譜』No.40 パフィオペディルム・キング・アルバート 当館蔵



『蘭花譜』No.72 レリオカトレヤ・ペレウス「オオヤマザキ」当館蔵



中村清太郎「大山崎山荘図会」(1932年)当館蔵

 



『茨木カンツリー倶楽部10周年記念誌』(1934年発行)


 

会期|2024年3月9日(土)-5月12日(日)
休館日|2024年3月11日、4月8日、4月15日、4月22日(月)、4月30日、5月7日(火)
入館料|一般1,100円(1,000円)、高大生500円(400円)、中学生以下無料、障害者手帳をお持ちの方300円
※( )内は 20名以上の団体の場合
※価格は全て税込表示です

主催|アサヒグループ大山崎山荘美術館
後援|京都府、大山崎町、大山崎町教育委員会、NHK京都放送局、京都新聞、エフエム京都

 


蘭の展示即売会 
日程|2024年3月22日(金)、23日(土)、24日(日)
時間| 各日 10:00–17:00
場所|美術館庭園内レストハウス

京都市西京区にあり、JOGA(日本洋蘭農業組合)に所属する高橋園芸が、蘭の即売会を行います。

※終了いたしました。

カフェ企画 特製スイーツ
会期中、同館喫茶室で展覧会イメージに合わせた、リーガロイヤルホテル京都による特製オリジナルスイーツを提供いたします。テラスからの眺望も魅力です。


カトレヤ
『蘭花譜』にちなみ、大輪のカトレヤの花を思わせる、華やかなケーキを作りました。苺風味のスポンジ生地にラズベリーのジャムをサンドして、さらにラズベリーバタークリームを塗ってジャムでコーティング。仕上げのレモンピールが、さわやかなアクセントをそえています。目も舌もご満足いただけることでしょう。


マダム・チヨコ
「高津小町」と謳うたわれた加賀正太郎夫人・千代子の名前をつけました。生地にはマジパンとバターとビターなチョコレートを使い、くるみとオレンジを練り込んでしっとりとした焼きあがりに。あんずジャムをサンドして、表面はグラサージュショコラで仕上げました。ウイスキーとも相性抜群です。


アサヒグループ大山崎山荘美術館外観
 

アサヒグループ大山崎山荘美術館は、大正から昭和初期にかけ建設された「大山崎山荘」の保存再生、活用を目指し1996年に開館しました。
築100 年以上の建築物や美しい庭園が大山崎の景観と一体となった、特別な空間での作品鑑賞を大切にされています。朝日麦酒株式会社初代社長山本爲三郎が支援した民藝運動にまつわる作品や、印象派の巨匠クロード・モネの傑作《睡蓮》連作などをご覧いただけます。

公式ホームページはこちら