【ことしるべ美術クラブ スタッフおススメのアートスポット!vol.229】「没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより」

 

京都の塗師屋に生まれた黒田辰秋は、早くから木漆工芸の制作過程における分業制に疑問を抱き、一人で素地から塗りや加飾、仕上げまでを行う一貫制作を志します。柳宗悦や河井寬次郎の知遇を得たことで民藝運動と関わり、1927年「上加茂民藝協団」を結成して志を同じくする青年らと共同生活を送りながら制作に邁進しました。協団解散後本格的に木漆工芸作家として歩み、精力的な活動のすえ、1970年には木工芸分野で初となる重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定されます。本展ではとりわけ、ゆるぎない基礎が確立した20代前半の凝縮された時期に焦点を当てます。民藝運動との出合いを経た黒田は、1928年、御大礼記念国産振興東京博覧会に出品されたパビリオン「民藝館」で、初期の代表作である欅拭漆のテーブルセットをはじめ多くの家具什器を手がけました。民藝館は、運動の支援者であったアサヒビール初代社長山本爲三郎が建物と什器を買い取り、博覧会終了後に大阪・三国の自邸に移築、「三國荘」とよばれるようになります。山本家から当館に寄贈され、開館以来当館所蔵品の軸となっている三國荘ゆかりの山本爲三郎コレクションを中心にこのたび所蔵品を一挙に公開、黎明期からその後の展開にも触れながら、名匠黒田辰秋の創作の原点に迫ります。


【展示作品一部】


黒田辰秋《貝象嵌色字筥》1928年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

 


黒田辰秋《黒朱漆灯火器》1928年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

 


黒田辰秋《黒漆灯火器》1928年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

 


黒田辰秋《朱漆振出し》1932年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

 


黒田辰秋《欅拭漆食卓》《欅拭漆肘掛椅子》《欅拭漆椅子》1928年 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

 


【関連企画】

★座談会★
「森見登美彦先生と語る 京都の青春、上加茂民藝協団」


 ※終了しました※

日時  2023年1月27日(金) 14:00‒15:30

会場

大山崎ふるさとセンター
〒618-8501 京都府乙訓郡大山崎町字大山崎小字竜光
(阪急大山崎駅から徒歩1分、JR山崎駅から徒歩3分 )
内容 京都の青春をテーマの一つに、森見氏と学芸員たちが座談会形式で自由に語り合います。
登壇者 森見登美彦氏(作家)、当館学芸員
定員  約100名、要申込(抽選)
参加費 無料、ただし本展覧会入場券(半券可)が必要

 

申込方法

ウェブサイトからお申し込みください
*申込は1人1回、1名まで
*申込締切は12月19日(月)24:00
*その他、注意事項等は申込フォームでご確認ください

★講演会★
「漆工文化財の保存修理について ―アサヒビール大山崎山荘美術館所蔵作品の修理を終えて」 

日時  2023年4月16日(日) 14:00‒15:30

会場

大山崎ふるさとセンター
〒618-8501 京都府乙訓郡大山崎町字大山崎小字竜光
(阪急大山崎駅から徒歩1分、JR山崎駅から徒歩3分 )
内容 漆作品の修理全般について及び黒田辰秋作品の修理を通じて得られた知見などをお話しいただきます。
登壇者 室瀬智弥氏、鷺野谷一平氏 (目白漆芸文化財研究所)
定員 約50名、要申込(先着順)
参加費 無料

 

申込方法

返信可能なFAXまたは往復はがきでお申し込みください。
 ※往復はがきの場合は4月4日(火)必着
【宛先】(FAX)075-957-3126
(往復はがき)〒618-0071 京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3 アサヒビール大山崎山荘美術館 イベント係宛
【記載事項】①参加者全員の氏名 以下は代表者のみ ②住所 ③電話番号 ④FAX番号
※申込は1回につき2名様まで
※電話・メールによる受付はいたしません
※定員に達し次第、アサヒビール大山崎山荘美術館ウェブサイトでお知らせいたします

 

カフェ企画

内容 リーガロイヤルホテル京都が本展のために考案した特製オリジナルスイーツ2種を提供いたします。
期間 展覧会会期中
会場 アサヒビール大山崎山荘美術館喫茶
協力 リーガロイヤルホテル京都

 

ケーキの紹介

「三國荘のあかり」 黒田が若いころに手がけた灯火器※をイメージしたケーキです。オレンジピール入りのパウンドケーキで、じんわりと灯るあかりを表現しています。オレンジの香りのホワイトチョコレートクリームと、ほろ苦いガトーショコラの味の調和を お楽しみください。 
「鴨川 春爛漫」 黒田が生涯暮らした京都、桜吹雪の舞う鴨川 をイメージしました。ピンク色のドライクランベリーが水面に浮かぶ桜を、抹茶のパウンドケーキが若草萌える土手を思わせます。桜リキュールと桜餡の香りがやさしく広がる、春気分たっぷりのケーキです。

は、上記【展示作品一部】で紹介した「黒田辰秋《黒漆灯火器》1928年頃 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵」


●展覧会名:「没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより」
●会  場:アサヒビール大山崎山荘美術館(〒618-0071 京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3)
●開催期間:2023年1月21日(土)~5月7日(日)
●開館時間:10時~17時(入場は16時30分まで)
●休 館 日 :月曜日(ただし、3月20日、3月27日、4月3日、5月1日は開館)
●入 館 料 :一般 900円(800円)、高大生 500円(400円)、中学生以下は無料
      ※障がい者手帳をお持ちの方は300円
      ※( )内は、20名以上の団体の場合
●主  催:アサヒビール大山崎山荘美術館、日本経済新聞社
●後  援:京都府、大山崎町、大山崎町教育委員会、京都新聞、エフエム京都
●お問合せ:TEL:075-957-3123(総合案内)


※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、掲載内容が変更となる場合がございます。最新情報はアサヒビール大山崎山荘美術館Webサイトをご覧ください。