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【ことしるべ美術クラブ スタッフおススメのアートスポット!vol.201】京都国立近代美術館 エデュケーショナル・スタディズ03:眼で聴き、耳で視る|中村裕太が手さぐる河井寬次郎

【ことしるべ美術クラブ スタッフおススメのアートスポット!vol.201】京都国立近代美術館 エデュケーショナル・スタディズ03:眼で聴き、耳で視る|中村裕太が手さぐる河井寬次郎

京都国立近代美術館
エデュケーショナル・スタディズ03 眼で聴き、耳で視る|中村裕太が手さぐる河井寬次郎
2022年3月月18日~5月15日

ただいま京都国立近代美術館にて、「さわる」「きく」などの感覚を使って河井寬次郎の作品づくりを新たな角度からひも解く展示を開催中です。

【展覧会内容】

京都国立近代美術館では、「みる」ことを中心としてきた美術鑑賞のあり方を問い直し、「さわる」「きく」などさまざまな感覚を使うことで誰もが作品に親しみ、作品その新たな魅力を発見・共有していく「感覚をひらく」事業を行っています。2020年度からは作家(Artist)、視覚に障害のある方(Blind)、学芸員(Curator)がそれぞれの専門性や感性経験を生かして協働し、所蔵作品をテーマとする新たな鑑賞プログラムを開発する「ABCプロジェクト」に取り組んでいます。
 2年目となる本プロジェクトでは、河井寬次郎(1890-1966)が晩年に制作した《三色打薬陶彫》(1962年)に焦点を当てます。
寬次郎はなぜ人差し指の上に玉を乗せたのでしょうか。
この展示では、「暮しが仕事 仕事が暮し」という寬次郎の言葉(『いのちの窓』1948年)を手がかりに、寬次郎の暮しぶりに触れていくことで、その造形感覚を読み解いていきます。
寬次郎は自らがデザインした家具や愛用品に囲まれた空間で、トランジスタラジオを聴いていました。そして、機械製品、仏像、西洋絵画、建築、こどもの詩や薬品などの新聞記事を切り抜き日記に挟むといった暮しを営みながら、日々の仕事を行っていました。
また「眼聴耳視」という寬次郎の言葉からは、身近な自然や機械製品のかたちを身体感覚によってとらえ、自身の中で溶け合わせ調和させながら自由な造形を生み出していった姿を想像することができます。
 会場では、寬次郎が切り抜いた新聞記事をはじめ、安原理恵による河井寬次郎記念館の物品を触れて鑑賞した音声、それをもとにした中村裕太の手でふれる造形物を設えます。そうした空間のなかで「さわる」「きく」などの感覚を使って、寬次郎の作品づくりを新たな角度からひも解いていきます。

 

【会場風景】

京都国立近代美術館4階のコレクション・ギャラリーが会場です。

会場の中央に設置された大きな畳が目をひきます。

展示は河井寬次郎が晩年に制作した《三色打薬陶彫》への問いかけから始まります。

河井寬次郎《三色打薬陶彫》(1962年)京都国立近代美術館蔵 
寬次郎はなぜ人差し指の上に玉を乗せたのでしょう?

寬次郎へのさまざまな問いかけと関連する展示資料によって、寬次郎の暮らしぶりに触れることができます。

寬次郎が切り抜いた新聞記事。
印象的な写真から子供の詩、薬の広告など多種多様です。
寬次郎はいったい何に興味を持ってこの記事を切り抜いたのか、想像が膨らみます。

会場内では、視覚に障害のある安原理恵さんが寬次郎デザインの家具や愛用品に鑑賞した際の音声が流れています。
(この音声はWEBサイト「ABCコレクション・データベースVol.2 河井寛次郎を眼で聴き、耳で視る」で聞くことができます。https://www.momak.go.jp/senses/abc/kanjiro/life/

また会場中央の畳では、安原さんがふれた物品を元に、アーティストの中村裕太さんが制作した手でふれる造形物が並びます。

中村さんの造形物は実際に触って鑑賞することが可能です。
さまざまな仕掛けもあるので、丁寧にじっくり触れてみてください。


※触れる体験をする際は、会場内のスタッフにお声がけください

 

また「ABCコレクション・データベースVol.2 河井寛次郎を眼で聴き、耳で視る」のWEBサイトを公開中です。
https://www.momak.go.jp/senses/abc/kanjiro/

河井寬次郎自身の声の音声をはじめ、安原さんによる寬次郎記念館の物品を触察した際の音声や寬次郎の切り抜いた新聞記事に関するトークなどを楽しむことができます。

是非この機会に、寬次郎の暮らしぶりをみて、きいて、さわって感じてみてください。

 


エデュケーショナル・スタディズ03 眼で聴き、耳で視る|中村裕太が手さぐる河井寬次郎
会場:京都国立近代美術館4階コレクション・ギャラリー
会期:2022年3月18日(金)~5月15日(日) 9時30分~17時 
   ※金・土曜は20時まで 
   ※月曜休館 ただし5月2日は開館
観覧料:一般430(220)円、大学生130(70)円 
    ※()内は20人以上の団体料金、夜間開館時の夜間割引料金 
    ※高校生以下、18歳未満、65歳以上、心身に障がいのある方とその付添者1名は無料 
主催:京都国立近代美術館 
特別協力:河井寬次郎記念館


関連プログラム「ABC、ただいま在室中。」

4月29日(金・祝)の一日限定で、事前申込不要、会場にて随時開催する立ち寄り式のプログラムを開催します。
この日はプロジェクトメンバーの中村裕太さん・安原理恵さんが在室します。
中村さん・安原さんと一緒に、対話したり、触れたり、身振り手振りで伝えあったりしながら展示室でゆったり過ごしてみませんか。

日時:4月29日(金・祝)10時~16時(予定)
会場:京都国立近代美術館4階コレクション・ギャラリー内
ファシリテーター:中村裕太(作家/プロジェクトメンバー)、安原理恵(プロジェクトメンバー)
参加費:無料(コレクション展の観覧券が必要です)