art space co-jin
ゆびさきのこい
京都御所東の荒神口にある小さなギャラリー「art space co-jin」。
こちらでは障害のある人の作品や表現に出会える場として展示・イベント活動などに取り組まれています。
現在は4人の作家による絵画・素描・写真・立体・映像など幅広いジャンルの作品を紹介する「ゆびさきのこい」を開催中です。
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こちらは本展のメインビジュアルにも使用されている山口慧太郎さんの写真作品《手がかり》。
赤い、ぼけたような光が印象的です。
これはカメラのレンズを左手で覆いながら撮影されたもので、手の隙間から差し込む光によってこのような抽象的な画面が生まれているそうです。
こちらは同じく山口さんのドローイング《きせき》。
色鉛筆でのびやかな線が描かれています。
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ここは勝山雄一朗さんの作品が並ぶコーナーです。
これは《かつ玉》とよんでいる勝山さんの陶土作品です。
ひたすらに陶土を細かくちぎり、指先で丸めて作られました。
勝山さんもドローイング作品を制作しています。
紙にクレパスで色が塗り重ねられていて、複雑なテクスチャが魅力的です。
写真では伝わりづらいこの良さ、是非実際に間近で見ていただきたいです。
また、ドローイング制作時に下敷きとして使用しているアクリル板も額装して展示されています。
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デザインを学んだことのあるという木引英明さんは、スケッチブックに多くの絵を描いています。
色鉛筆を用いたコミカルなイラストから…
鉛筆で緻密に書き込まれた動物画まで。
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こちらは想像で創作した架空の都市の地図を描いている上嶋浩綺さんの作品群。
細かく描きこまれた地図は、下絵を描かずに直接ボールペンを使って一気に描き上げているのだそうです。
「外萌市」「大桜町」「工業市」… 地図に登場する地名は、上嶋さんにとって”心地の良い”言葉から名づけられているのだとか。
じっくり読みこみたくなる作品です。
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是非本展を通して、作者の指先から生まれた創造物と、一見すると無秩序に思われる作品に内包される「こい=故意」の関係性に注目してみてください。
「ゆびさきのこい」 ◆会期:1月19日(火)~3月21日(日) |
art space co-jin(アートスペースコージン)
きょうと障害者文化芸術推進機構(事務局 京都府障害者支援課)が運営する、障害のある人の作品や表現に出会えるギャラリー。
絵画、写真、陶芸、インスタレーションなどさまざまな作品を展示するギャラリー活動のほか、イベント、ワークショップ、講座など、誰もが交流できる機会を創出しています。
住所:〒602-0853 京都市上京区河原町通荒神口上ル宮垣町83 レ・フレール1F
HP:https://co-jin.jp/